最終話 サッカーやろうよ 2 ページ39
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「ねえ、吹雪くん、千鳥ちゃん。聞かせてくれないべか？今までの旅のこと。」
部室の中で、荒谷は2人に静かに尋ねる。白恋のみんなは先ほどの和やかな雰囲気とは打って変わって、真剣に2人を見据えた。
ただ世界を救った旅の話を聞きたいという気持ちも当然あった。だが、白恋サッカー部にはそれより聞きたいことがあったのだ。
白恋中サッカー部のもう1人の仲間のこと。
事の顛末は、エイリア学園ザ・ジェネシスとの戦いを見て知っていた。けれど、彼が何を考え、何を残したのか。それが何より気に掛かっていたのだ。
吹雪と千鳥は顔を見合わせ、頷き合う。この話は必ず彼らにしようと約束していたからだ。
千鳥は自らの首に巻かれている、アツヤのマフラーに手を当て口を開いた。
「長くなるかもしれませんが、聞いてください。」
それから千鳥はぽつぽつと話し始めた。アツヤのこと、話し零すことのないように、ゆっくりと。
アツヤが染岡と最強コンビを組んでいたこと、アツヤと士郎のすれ違い、士郎が1人ではなくなって、アツヤと人格統合したこと…。
千鳥の話を部員たちは黙って聞いていた。
「…それで、このマフラーはアツヤくんのものなんです。アツヤくんはわたしたちの心の中にいます。…きっと、もう表に出てくることはないでしょう。」
千鳥は話し終えると、真っ先にとある人物に目を向けた。それは氷上烈斗。彼は白恋のFWで、密かにアツヤに対抗心を燃やしていたことを知っていたからだ。
烈斗は拳を強く握る。その手は震えていた。
(やっぱり、アツヤくんがいなくなったダメージは彼にとって大きいんじゃ…。)
そう思った千鳥が眉を八の字に歪めたときだった。
烈斗は数歩前に歩み出て、吹雪と千鳥の前に立った。そして千鳥のマフラーに手を伸ばすと、端を軽く握る。
＊
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いわき(プロフ) - 檸檬けーき。さん» 檸檬けーき。さん、コメントありがとうございます！とても嬉しいです！この小説はもう完結していますが、同じ主人公が出てくるアレス版の新作を書き始めましたので、良ければそちらもご覧ください(＊^^＊) (2019年10月18日 10時) (
レス) id: b59bbba1ca (このIDを非表示/違反報告)
檸檬けーき。(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます (2019年10月18日 5時) (レス) id: 31d6ef12c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いわき | 作成日時：2019年10月8日 0時
