第195話 心の模様 2 ページ27
＊
「…なあ、さっきの鬼道さん、おかしかったよな。」
「ああ。あんな嬉しそうな鬼道さん初めて見た。あれじゃあまるであの女のこと…。」
「鬼道さんに限って、まさか。」
「だよな、はは……。」
そんな会話が後ろで行われていたことなど、千鳥は知る由もない。
・
「千鳥！よく来たな。」
千鳥がグラウンドに姿を見せると、鬼道が千鳥の元へに歩み寄っていった。その後ろには土門や佐久間に源田、それに帝国メンバーが揃っていた。
「ごめんなさい、わたし練習の邪魔しちゃいましたかね。」
「いいや、ちょうど休憩時間だったんだ。」
鬼道の言う通り、帝国の人たちはタオルを首にかけ、ドリンクを握っていた。良かった、邪魔してしまったわけではないようだ。千鳥はほっと息を吐いた。
「それで、一体何の用だったんだ。」
「ただお礼が言いたくて。」
「お礼だと？」
鬼道は軽く首をかしげる。千鳥はまず鬼道に向かって、軽く頭を下げた。
「今までの旅、お世話になりました。ありがとうございました。」
千鳥の言葉に、そういう『お礼』か、と納得したように鬼道は口角を上げた。そして「ああ。こちらこそな。」と頷く。
千鳥は次に土門に体を向けた。
「土門先輩も、ありがとうございました。」
「はは、そんな大したことはしてねえって」
そして、千鳥は佐久間にも頭を下げる。
「佐久間さん。佐久間さんにもたくさん力をもらいました。本当にありがとうございました。」
「ああ。力になれて良かったよ。」
そして最後に千鳥は帝国の人たち全員に向けて頭を下げた。
「みなさんも、雷門を支えてくれてありがとうございました。」
帝国の人は自慢げだったり、少し恥ずかしそうにしてたり、あるいはお礼を言われるほどじゃないと戸惑ってたりと様々な反応を千鳥に返した。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いわき(プロフ) - 檸檬けーき。さん» 檸檬けーき。さん、コメントありがとうございます！とても嬉しいです！この小説はもう完結していますが、同じ主人公が出てくるアレス版の新作を書き始めましたので、良ければそちらもご覧ください(＊^^＊) (2019年10月18日 10時) (
レス) id: b59bbba1ca (このIDを非表示/違反報告)
檸檬けーき。(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます (2019年10月18日 5時) (レス) id: 31d6ef12c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いわき | 作成日時：2019年10月8日 0時
