第195話 心の模様 1 ページ26
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電車に乗って帝国学園に到着した千鳥は、その外観を見て、はあとため息をついた。
やはり、どう見ても要塞、もしくは悪の組織だ。こんな場所に入るというのは何度経験しても緊張する。といっても、まだ二度目だが。
千鳥が帝国学園の門に足を踏み入れようとしたときだった。「待て！」と鋭い声がかかり、彼女は足を止める。
「ここは関係者以外立ち入り禁止だ。立ち去れ！」
振り向くと、帝国学園の制服を着た男子が千鳥をぎろりと睨みつけていた。ふと気が付けば、門の前には男子が2人、門番のように立ちはだかっている。軍服のような帝国学園の制服を着ているので、迫力がさらに増していた。
千鳥はしまった、と思う。前回は皆と一緒だったけれど、今回は自分1人だ。普通、部外者をそのまま通すわけがないだろう。
「あの、わたし雷門イレブンのマネージャーの六花千鳥といいます。鬼道先輩と土門先輩がここにいると聞いて来たのですが、取り次いでもらえませんか？」
千鳥が丁寧にそう説明すると、その男子は「何、雷門イレブンだと？」と眉を吊り上げた。
「……鬼道さんに伝えてみよう。それまで待っていろ！」
男子は最後まで千鳥を睨み続けると、2人一緒に学園の中に消えていった。その後ろ姿を見送りながら、千鳥はなぜ2人で行くのだろうとぼーっと考える。普通1人で行って、1人は残るものではないだろうか。まあ、そんなことはどうでもいいが。
しばらく待っていると、先程の男子2人が戻ってきた。何やら戸惑った顔をしているものだから、千鳥は首を傾げた。
「大変失礼しました。グラウンドへご案内します。」
「ご、ご丁寧にどうも。」
千鳥に対する言葉遣いも丁寧になっていた。
この2人に何があったのだろう。千鳥はそんなことを考えながら帝国学園の内部を進む。やはり内装までいかつくて恐ろしい学園だ。
「この道をまっすぐ進んだ先のグラウンドに鬼道さんたちはいます。それでは。」
「はい、ご案内どうもありがとうございました。」
男子たちは千鳥に恭しく頭を下げたので、千鳥もあわててお辞儀を返す。男子たちが最後まで戸惑ったような顔をしていたのが不思議だったけれど。
千鳥は首を傾げつつも、案内通りグラウンドを目指すことにした。
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いわき(プロフ) - 檸檬けーき。さん» 檸檬けーき。さん、コメントありがとうございます！とても嬉しいです！この小説はもう完結していますが、同じ主人公が出てくるアレス版の新作を書き始めましたので、良ければそちらもご覧ください(＊^^＊) (2019年10月18日 10時) (
レス) id: b59bbba1ca (このIDを非表示/違反報告)
檸檬けーき。(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます (2019年10月18日 5時) (レス) id: 31d6ef12c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いわき | 作成日時：2019年10月8日 0時
