第194話 恋愛相談 1 ページ23
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「どうせなら、もう一つ恋愛相談していいかい？」
一之瀬はもう一度笑って尋ねる。今度はその顔に曇りはない。一之瀬自身の話ではないのだろうか。
さっきの問答で『恋愛相談』というものに自信がついたのか、千鳥は今度は「はい、もちろんです」と即答した。
「オレの友達が好きな人がいるらしいんだけどね」
一之瀬の友達。
千鳥は一之瀬と目を合わせ、真剣に話を聞く。
「ただその子はとてもモテるんだ。それで、友達は自分じゃ相手に釣り合わないと恋路を諦めようとしてる。オレはなんて言葉をかけたらいいのかな。」
また、難題だ。
千鳥は口元に手を当てて、むむと考え込む。もし自分の友達が、とてもモテる人を好きで、諦めようとしていたら…。
「……ちょっとわたしらしくないこと言ってもいいですか？」
「ん？いいよ。どんなこと？」
「多分、諦められるなら諦めたほうがいいです。中途半端に想いつづけるのは辛いことですから…。
でも、それでもどうしても諦められないのなら、それはそれだけその人のことが好きってことだから、その人に見合うだけの努力を始めたらいいと思います。」
千鳥は眉をきりっと吊り上げてそう言い切った。結構シビアなことを言ったつもりだというのに、千鳥の話を聞いた一之瀬はくすくすと笑っている。
「い、一之瀬先輩？」
「ああごめん。いや、まったく君らしいなと思ってさ。」
「ええ？」
「相手にも、その相手の好きな人の気持ちにも寄り添おうとする君らしいよ。」
一之瀬はそう言うととても優しい瞳を千鳥に向けた。千鳥は思わず面食らってしまう。──相手にも、その相手の好きな人にも寄り添おうとする。
(わたしって、そうなのかな。……そうあれてたらいいな。)
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いわき(プロフ) - 檸檬けーき。さん» 檸檬けーき。さん、コメントありがとうございます！とても嬉しいです！この小説はもう完結していますが、同じ主人公が出てくるアレス版の新作を書き始めましたので、良ければそちらもご覧ください(＊^^＊) (2019年10月18日 10時) (
レス) id: b59bbba1ca (このIDを非表示/違反報告)
檸檬けーき。(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます (2019年10月18日 5時) (レス) id: 31d6ef12c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いわき | 作成日時：2019年10月8日 0時
