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「………好き。お前のこと。」
まっすぐ見つめられて、照れくさそうに笑いながら。
その破壊力に私の思考回路も、何もかもがショートして。
その様子を見て、私の代わりにするりと鉢から箱を外す志麻君。
「ネックレスに、ピアス。気づいとるかと思ったけど…気づいとらんかった？」
「え？」
「お前は……ったく、もう少し男が女にあげるプレゼントの意味調べといた方がえぇで。」
そう言って、私の右手をするりと取り薬指にそっと指輪をはめてくる志麻君。
サイズぴったりやな、なんてはにかんでいるけど…
「志麻…君。」
「なんや？」
「今、好きって…言った…？」
「そっから？そっからなん？」
「え、だって……」
「っていうか、マジで分からんかったん？」
「そうだったら…いいな、とは。」
「…最高。」
遠回しに言った『好き』の言葉に満足げに笑った志麻君は私の隣に座った。
伸ばされた手が、腰に回ってそのまま引き寄せられる。
「何度だって言ったるわ。好きやきね。Aのこと。」
「…私も、好き。志麻君の事。」
「ありがと。めっちゃ嬉しいわ。」
今までで1番くらい優しい笑みを浮かべて私を抱きしめる志麻君。
嬉しさと、恥ずかしさが私の心の大半を占める中で少しだけ残ってるこの気持ち。
「…志麻君。」
「んー？」
「今まで私にあげてきたものってそんなにわかりやすいの？」
「…まぁ、そうやね。ってかそもそも好きでもない女にアクセとかあげへんやろ。」
気付や、アホ。なんて嬉しそうに言ってくる志麻君は
ちなみに、こんな意味。なんて意味ありげに笑いながらスマホを見せてくる。
アクセ全般、俺のという独占欲の塊らしい……全然気づかなかったよ。
「志麻君…」
「起きたら買い物行こな。」
「え？」
「もう俺のモノやから。手加減せんよ？」
「へっ…！？」
頬にキスしながら満足そうに笑う志麻君。
いったい何を買う気なんだろうなぁ、っていうか肝心の今年のプレゼントを聞いてない。
「ねぇ志麻君。」
「ん？」
「で、誕生花は？」
「あ、あれは…その……自分で調べろや。」
なぜそこで照れるんだ。そう思いながらスマホでカランコエと調べていく。
誕生花の1つであるそれ…が、もつ花言葉。それは。
「幸福を告げる……あなたを守る………」
「そゆこと……ずっと、守ったる。」
もちろん、幸せにしたる。
そう照れくさそうに笑う志麻君
私、今が1番幸せだよ。
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