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「あ、Aちゃん」
食べ終わったあと、食器を学食のおばさんにご馳走様でしたと言いながら手渡ししてた時、後ろから私の名前が呼ばれ振り向くと、そこにはあの微笑み天使。
「ど、どうも」
「ふふっ、さっきぶりだね。△△さんも久しぶりだね、合コンの時以来だ」
自分の名前を覚えられていたことに驚いたのか△△は頬を少しだけ赤く染めあげている。この面食い野郎。さっきまで私がこの人のせいで災難な目にあったこと聞いていたくせに。
「Aちゃん」
そんな考えを巡らせていると、いつの間にか私の目の前まで近づいていた彼が、また私の名前を呼んだ。
「今日、暇？」
「はい？」
「ご飯でも食べに行かない？」
隣に友達もいるのに、良く恥ずかしげもなく堂々と誘えるよな、私なら絶対無理。顔がいいから得してる。
「あ、因みに断ったら俺泣くかも」
なんてことを言うんだ。
「で、でも」
「え、断られる？泣いちゃう」
そんなこといいながらずっと微笑まれている。泣く様子なんか1ミリもない。
「行ってあげなよ。」
と、隣にいる△△に肘でつつかれる。当事者じゃないからそんなこと言えるんだ。こちとら怖くて怖くて仕方が無いのに。あの微笑みの裏に隠されている真実を知るのが怖い。
「ほら、△△さんも言ってくれてる。ただご飯に行くだけ。俺、もっとAちゃんと仲良くなりたいな〜〜」
怖いとか言ってるくせに、行きたくないとは思っていない私に心底腹が立つ。男の人から誘われたことがない私には夢にまで願ってた状況だから。しかもこんなイケメンに。まぁ遊び呆けている(らしい)のは見えないようにして。
「もう、決まりでいい？別に嫌そうでもないし。いいよね！じゃあ次の講義で俺最後だから終わったら連絡する〜」
と言って勝手にいいつけて勝手に解釈されて勝手に帰られた。
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作者名：shima | 作成日時：2024年2月16日 13時
