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彼女との愚痴の言い合い会合から1週間、合コンから約3週間ちょっと過ぎた頃には正直、あの人のことはもう忘れかけていた。携帯の通知に身体を震わせることも無くなり、あの人に出会う前の日常を順調に取り戻しかけていた。
＊
｢学校始まるの早くね？｣
｢それな〜｣
｢大学生の夏休みは長いって聞いてたんだけど？！！！｣
ヒステリックな叫びを上げながら歩いている彼女の隣を共感の声を呟きながら歩く。
｢いや、昨日のようだよ。夏休みが始まったのは｣
｢うん、それは言い過ぎだね｣
｢そこも共感してよ｣
｢ごめん、ごめん｣
そう中身のない話をしながら教室まで歩くのも楽しくて私は好きだ。高校生の頃も大学生の今もその気持ちは変わらない。これも1種の青春だ。
｢じゃあ、私こっちだから｣
｢おっけ〜、また連絡する〜｣
｢あいよぉ〜｣
と、間延びした返事をした彼女と別れた。この時間はそれぞれ別の講義を受けている。少し隣を寂しく感じつつ、自分も講義の場所へと足を進めた。
＊
目的の教室につくと、ちらほら生徒が談笑したり携帯を触ったり、眠っていたりしていた。空いている席に腰かけ、講義開始時刻まで携帯を触る。24時間で消えるそれを脳死状態でタップしていると、ふと隣に誰かが座る気配がした。この講義には知り合いはいない。誰なのか気になり、確認しようとその人物を捉えた瞬間、まるで私が座っているところだけ時間が止まったかのように動けなくなった。
｢な……んで…｣
｢久しぶり、Aちゃん｣
……また、この人に毒されていく。
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作者名：shima | 作成日時：2024年2月16日 13時
