この男、危険につき。 (ページ11)

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｢それがさ、ワンチャン狙った唯の猛獣クソ男だったの！！！ほんっっと、さいあくっ！！！！｣

ドンッと大きい音を立ててジョッキを置いた彼女。彼女が言うには、あの合コンで出会った男はただのヤリマンだったらしい。

私からしてみれば、目の前で息を荒くしながら麦茶飲んでる彼女の方が猛獣みたいだ。

｢今日はお酒飲まないんだ｣

｢だってA飲めないじゃん。私だけが飲んでも楽しくないしね｣

合コンの時は飲んでいた彼女は私よりも1歳年上。
そう、彼女は留年組。しかも留年になった理由は受験日に交通事故にあったから。幸いにも足の骨折だけですんだらしいが、この話を彼女から初めて聞いた時は声が出ないほど驚いた。後日受けられるようにしてくれたらしいのだが、こんな足じゃ解こうにも解けないからと辞退したらしい。そんなところも彼女らしい。

そんなこんなで大学1年生なのに飲めているのはそういう状況があったからだ。

未成年でも飲酒している人はいるが、私はそこまでしてお酒に興味は無い。

｢それにお酒のせいであんな男に捕まったから、さすがにそろそろ自衛しなきゃね〜｣

｢とか言いながらあと3日もしたら呑んだくれてそうだけどね｣

｢確かに、それはいえてる｣

と真剣な顔して共感してくる彼女に、笑ってしまった。