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コップに水を注いでから、センラが座っている向かいの椅子に座った。

一瞬こちらを見たセンラだったが、すぐに書類に視線を落とした。
けれど、それが冷たい感じがしなくて少し安心した。

そして、俺はゆっくりと口を開き「話半分でいいんだけどそさ、」と言って
マイペースに話し始めた。

「昨日久しぶりにデートだったんだ。俺ももちろん楽しみだったけどAは、それ以上に楽しみにしてくれてた。」

呟くようにボソボソと話した。センラの手は何か書き物をしているみたいで、今も尚その手は
動いているが、聞いてくれているという確信はあった。

「それで、昨日どうにかして指輪のサイズ探ろうと思ったんだ。もう俺ら付き合った5年だし
…その、プロポーズも考えてて、」

言っているうちなだんだん恥ずかしくなり、語尾の方がカタコトになる。
でも、それ以上にいい反応を見せたのはセンラで、

「…志麻くん。君の口からプロポーズだなんて!!」
こいつ空気ぶち壊す天才かよ!?…せっかくしんみりしてたのに。

「それでもし、プロポーズが成功したらリスナーに言おうか迷ってたん。
でもそれができなくて。今はこのこと言おうか迷ってて…。」

ゆっくりと視線を上げて、センラを見ると先程とは裏腹に、真面目な顔をしていた。

「…俺は、Aさんが目を覚ましたら放送かなんかで言えばいいと思う。」
だって、まだ記憶喪失かどうか分からんし、と付け足すセンラ。

いつAが目を覚ますか分からないが、その間に心の整理ができるかもしれない。

「…そやな。センラありがとな少し心、軽なったわ。家にいてもええけど、帰るときは声かけろよ。また少し寝てくるわ。」

そう一方的に話し、残りの水を一気に飲んで、寝室に向かった。


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設定タグ:浦島坂田船 , 志麻 , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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リス - 画像映ってないです (2021年3月30日 21時) (レス) id: 9e25a99e83 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - とぅーかわさん» ありがとうございます!夢主ちゃんは完全に私の好みの女の子になってしまって…でも、結末に納得していただけて安心しましたぁ!コメントありがとうございます! (2019年9月22日 18時) (レス) id: 23afe5e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
とぅーかわ(プロフ) - んんんん完結おめでとうございます!!最後夢主ちゃん思い出してよかったああああ((うるさい (2019年9月22日 17時) (レス) id: 032bd3a16e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 律さん» そんなこと言っていただいて本当に嬉しいです!頑張って更新早く出来るようにします!結婚?喜んで! (2019年8月22日 18時) (レス) id: 23afe5e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
- あ"あ"ァ"ぁ"ァ"あ"ぁ"ァ"ァ"ァ"!なんて素晴らしい作品なんだ...メチャクチャドストライクゥ!!メッッッチャ面白いっす。まじ惚れました←結婚しま((((更新されたら楽しく見させて頂きます!更新お疲れ様でした! (2019年8月15日 17時) (レス) id: ddd9224e3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらげ | 作成日時:2019年7月29日 17時

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