僕らがもう一度笑える日【志麻】

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「で、その隣に居るのが坂田悠さん。」

「はい！さかたでーす！」

「さかたさん…。」


うんうん、とひたすら頷くA。大丈夫かな…。


「…で、そのさっきうらたさんの時に言った事なんやけど、俺らの4人で歌い手っていう仕事をしてるんやけど…」

「歌い手…。…うらたさん…？ん…？なんだっけ？あれ…？」


急にぶつぶつ色々言い始めたA。え！？どうしたん？


「Aちゃんどうしたん??へーき？混乱してもうたか??」

「……大丈夫ですよ、さかたさん。…ん？さかたさん？…さかたせん…？」

「「「「え？」」」」


4人の声が重なる。いや、だって今坂田船って…。


「……あー！浦島坂田船!!」

「え？マジ？」
「思い出したん？」
「俺ら浦島坂田船やで！」
「ビックリですわ…。」


4人が口々に言う。だってAが、浦島坂田船を思い出したから無理もない。


「他に何か思い出せる??Aちゃん」


興味津々に聞くさかた。


「うーん……。……無理だ。」

「めっちゃ溜めといて結局無理なのね」

「でも、1つ思い出してくれてるよかった。でもA、無理すんなよ？」

「分かってるよしま君！」


少しあったかい空気の中4人で笑っていると、病室のドアがノックされた。

ガラガラーと開くとそこには、Aのお兄さんが居た。



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