僕らがもう一度笑える日【志麻】

15 ページ16

「A。私達ここじゃないもっと、遠いところに住んでるんよ。だから、ここに居られるのもあと3日くらいなの。その間も少し思い出して欲しいな…。」

目に涙を溜めて一生懸命そう言うお母さん。

「…うん。がんばる。」

そう言うとにっこり笑ってくれた。それがなんだか暖かくて、懐かしいような感じがした。

「少しお父さんと買い物に行ってくるね。何か食べたいものとかある？」

「…サッパリしたい」

「分かった。果物とか買ってくるね。」

そう言って病室を出た２人。出る間際手を振ってくれて嬉しかった。
なんか疲れちゃった。少し寝ようかな。


お母さんは、やっぱりお母さんみたいで、安心したのかかなり落ち着いた。一気に眠気に襲われて
ぐっすり眠ってしまった。




どこかから落ちるあの感覚で、目が覚めた。
ボーっと窓の外を見ていると、勢いよく病室の扉が開いた。

ビックリした…。

あ、さっきも居た人だ。一瞬来てお兄ちゃんに連れてかれた人。

ずーっとその人のことを見ていたら焦ったように

「あ、ごめん。勢いよく開けちゃって…。」
…どんな人なんだろう。やっぱなんかこわいな。

「あー、えっと…体調はどう…？」
体調…？今は、うーん。眠い。なんか変な人ー。

「まぁまぁです。」

ちょっと聞いてみようかな…？

「あの…。さっきも居ましたよね…？」


.

16→←14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す