2の半獣 ページ2
…side
毎朝11時にオープンして最終受付の午後20時まで、お客様の御相手をする。
犬の俺はよく指名が入るんよ。すっげぇありがたいことなんだよね、これが。
月の内に何回指名が入るかでボーナスが変わるからな！
あ、指名っていうんはな？旅館に来たときにしてもらうんやけど、宿泊中に案内をしてもらう従業員を選ぶことやで！
…今日一番目のお客様は犬の俺は選ばんかったけどな。
…え？そのお客様は深海色の猫のアイツを選んだで。
…猫が多いんよなぁ。ここ。
オーナーはフェネックとか言うやつやで。一回触らして貰ったことあるけどもっふもふなんや！
白猫のまふお。
深海色猫のそらるさん。
茶猫のうらさん。
自分では嫌がっとるけどシマリスのまーしぃー。
黄色の狐の胸毛。
赤っぽい色の犬の俺。
今従業員はこれしかおらんのや。少ないやろ？結構人気の旅館なんにな。
結構大変なんやで？大変やけど楽しいからやめられんのや。この仕事。
最初は俺らを捕まえて売ろうとするハンターからオーナーが保護してくれただけやったんやけどな。
そら初めは俺らも怪しんだで？けどオーナーも、その…人外やったから少しは信じてみようと思ったんや。
「坂田ー。向こうの掃除行くぞ。」
「うらさん今行くからまっとってやー！」
「早くしろよー。」
「はーい！」
今ではこんなに馴染んどるうらさんも俺も最初は威嚇しとったし、信用なんかする訳ないと思っとったんやけどなぁ…。
今じゃ俺らを纏める長みたいなもんや。
オーナーはこの旅館の周りに結界を張ってハンターが来ないか、他に半獣や半妖がいないか毎日調べてくれてるんや。
今も逃げとる仲間は沢山おるから一刻も早く助けに行きたいんやけど迂闊にでれば自分らも危ないからな。オーナーに頼るしかないんや。
…うまく逃げててくれればいいんやけど。
「坂田ぁ！？」
「ごめんなさーい！」
続く (更新停止中)
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作者名：はるまて(春待て) | 作成日時：2018年9月30日 0時
