志麻リスのあの子は志麻さんのストーカー 【志麻】

好き ページ34

坂田さんに連絡を入れるとあっさり承諾してもらった。

坂田さんと話をするために予約しておいたお店に入る。

お店は個室型で外からは見えないようになっている。

10分ほど経つと坂田さんらしき人がお店に入ってきた。

坂田さんの近くに行くと坂田さんは笑いながら［こんにちは］と言った。

坂田さんってやっぱ笑顔かわいい。

志麻さんには負けるけど。

部屋に入り席につくとさっそく坂田さんが話をし始めた。


「Aちゃん引っ越すん？」

「なんで知ってるんですか？」

「志麻君が言ってた。」

「ホンマにそれでええん？」

「Aちゃんは後悔せんの？」


私は黙って聞いてることしかできなかった。

だって本当は離れたくない。

ダメなの分かっててもこれからだって志麻さんのストーカーしたいもん。

でも少しの間だけ。

数年経ったらまた志麻さんに会えばいい。

簡単なことなのに離れてしまうことを考えただけで胸が苦しい。

気づいたら私は泣いていた。

坂田さんがハンカチで涙を拭いてくれていたけど意味なかった。

泣きやんだころには坂田さんのハンカチはびちょびちょで少し申し訳なかった。

そんな私を坂田さんは文句の一つ言わず黙って見ていた。









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大嫌いなあいつと偽の恋人始めました。 [うらたぬき]

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