深海シティアンダーグラウンド :黛 ページ5
またもや作者選曲のボカロ曲です。
ファンタジーなので注意。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
西暦20××年、日本が海に沈んだ、らしい。
まあ私はその時2才くらいだったから、よく覚えていない。
いわく、沈むかもしれない、という話はでていたけれど、
海底に対応するための工事なんか、準備をしているうち、
急激に海が変動してまだ準備のおわらないうちに沈んだんだと。
あまりにも突然のことだったから、人はたくさん亡くなったし、
まだ工事のしていなかったところに人は住めない。
そこで政府は、“分けた”。
ある程度の所得があれば、整備の進んだ土地。
なければ、まともに家のない地下に住む。
海に沈んだとき、親を亡くした私の行先は、もちろん地下だった＿＿＿＿＿
*
水が滴る音がする。
コンクリートの柱から、天井の上にある海の水が染み出しているのだ。
そのしたでたくさんの子供が固まって眠っている。
皆、服はもう薄くなっていて、髪どめなんかのアクセサリーもない。
『…て、私もか。』
近くの店で買った、味のないパンを食べながらため息。
ここの人達はほとんど家がない。
上の綺麗な街に行くことはできるけれど、住めやしない。
だから、小さいときは何人かで一緒に暮らした。
私も、年上のホームレス達に、
ある程度の読み書き、生活方法を教わって生きた。
だけど、ここの衛生条件なんて知れている。
わけのわからない病気が蔓延して、近くに住んでいた人達はバタバタと倒れていった。
物もあまりない。
食べ物は充分だけれど、服はあまり持っていない。
お風呂も入れるけれど、良い香水なんかない。
ただ、基本的に皆優しいから、きっとここで暮らせているのだ。
…私は上の街に行ったことがない。
ここよりずっと綺麗だそうだ。
だから、上の人を地下で見かけたことはない。
でもきっと、上に行ったってろくなこともないだろうから、行きたいとは思わない。
ふとその時、あまり聞かない声が聞こえた。
目を向けると、一人の男がホームレス達に取り囲まれている。
詰め寄ったホームレス達は口々に言った。
「あんた、やけに上等な服だな」
「まさか…上の奴か？」
「なら、ちっとは金もってんのか？」
カツアゲ、というらしい。
ここじゃ、みんなお金がないから、滅多にないのだが……。
珍しいこともある、上の人がいるらしい。
*つづく*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クラゲ(プロフ) - one direction のhappily をお願いしてもいいですか？ (2016年5月17日 17時) (
レス) id: 2674bc1ed0 (このIDを非表示/違反報告)
あや - えっと...黒子君でなりすましゲンガーお願いします！ (2015年8月31日 1時) (レス) id: 62745ee85a (このIDを非表示/違反報告)
さくらざき(プロフ) - 秋音さん» コメントありがとうございます！ (2015年8月30日 17時) (レス) id: 8414037635 (このIDを非表示/違反報告)
秋音(プロフ) - 個人的にクレヨンが好きです。更新頑張って下さい! (2015年8月30日 17時) (携帯から) (レス) id: c9e4cf7e25 (このIDを非表示/違反報告)
Hino Sekai - ありがとうございました！マイナー(？)な曲ですいませんでした！ (2015年8月28日 22時) (レス) id: 107f46a531 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらざき | 作成日時：2015年6月28日 10時
