【D!】犬か、人間か。【男主】 (ページ10)

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グルッペン視点

真っ暗闇の中にいた
上か下かもわからない俺はひたすらにその暗闇を眺めていた

どうしたものかとしているとまるで起きてと言わんばかりに引っ張られるような感覚と視界が真っ白に広がってゆく

眩しさに思わず目を閉じた
そして次に見たのは白い天井だった、同時に消毒液独特の香りが鼻をくすぐる

ここは軍の上層部専用の医務室だろう

グ｢(見慣れたものだな...)｣

寝起きのせいだろうか、意識と肉体が上手く繋がっておらず体を起こす気にはなれない

どうしてこうなったか記憶をかき集め思い出す

森の中で犬にネクタイピンを盗られた、それが意識を手放す前の最後の記憶

笑えんな

自傷気味に笑っているとがらりと医務室の扉が開く

そちらに目を向けると神と書いてある布を顔に貼り付けているのがよく目立っており医者のテンプレでもある真っ白な白衣を着ていた

しんぺい神だ

し｢グルッペン？！良かった、起きたんだね
何があったか覚えてるかい？｣

グ｢やぁしんぺい神、観光客に襲われたなんて忘れるわけがない｣

俺の言葉に安心したのかほっとした表情をしている、布で顔は全然見えんが

身体を起こそうと上半身に力を入れたが腹部に痛みが走りまたベッドに戻ってしまった

し｢ダメだよ安静にしてないと、銃弾が当たって血も足りてないし｣

グ｢しかし...｣

し｢絶対安静、分かった？｣

にっこりと効果音でもつきそうなくらいに笑っている彼は普段の太平洋並の心の広さを持っているのが微塵も感じれないほどに威圧感が感じられた

それによって黙ってしまった俺に肯定したと思ったしんぺい神はトントン呼んでくるねと言い医務室から出ていった

これからくるであろうトントンに長い説教をされると思うと憂鬱になる

グ｢はぁ...｣