【D!】犬か、人間か。【男主】 (ページ28)

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貴方side

俺の肉球がにぎにぎされたりしているうちに長い針は1周を終えようとしていた。

ト｢いつの間にか茶会に参加してたけどそろそろ終わりか｣

オ｢もうそんな時間か〜今日はお開きにするめう｣

グ｢そうかじゃあワシはルフトバッフェでも見に行くか〜｣

ト｢ちょい待て｣

オスマンさんの終わりの合図とともにグルッペンさんが棒読みで告げるとそそくさと腰をあげる
すると食い気味にトントンさんが呼び止めた

ト｢俺がここまで来て何も言わずにハイさいならで終わると思ったか｣

グ｢違うのか？｣

ト｢んなわけあるか｣

トントンさんはさっきまで存在を無くしていた書類をいくつかグルッペンさんに渡す

グ｢……………これは｣

ト｢隣国から外交のお誘いやら国勢調査の報告書やらその他諸々のプレゼントや｣

グ｢返却は｣

ト｢出来ひんに決まっとるやろ｣

あからさまに嫌な顔をするグルッペンさんとは真逆にトントンさんは何故か満面の笑みである

ト｢とりあえずそれ目を通して、サイン出来るやつはしといてな｣

グ｢期限は？｣

ト｢そら早い方がええわ、ルフトバッフェはまた今度見に行ってくれよな！｣

先程のは逃げるための言い訳だと分かってるぞとでも言うようにピシャリという

たまに立場が変わるのは何なんだ…

グ｢なんでや！！ノルマ終わらせたやろが！！｣

ト｢ノルマが終わっても仕事は来るし何やったらまだ期限近いやつ残ってるやろ｣

グ｢な、なんのことかな｣

オ｢めっちゃ声裏返ってんで｣

トントンさんまるで社畜かのような発言にこの人はこの人で大丈夫かと心配になった

ト｢不安なグル氏のために付き添いも用意したゾ！｣

グ｢いらない(切実)｣

ト｢そういうなって、てなわけで｣

トントンさんはそう言うと俺をそっと抱っこしグルッペンさんのそばに下ろした

……ん？？？俺？？？

グ｢…A？｣

ト｢そうや、Aは今からグルッペン見張り番に任命や！ええか？｣

『ワフ！(頑張ります！)』

午後は寝ちゃったし流石頑張らないとな

ト｢よし、というわけで俺も仕事残ってるし戻るわ｣

そんな俺を撫でるとトントンさんはじゃあと言いながら扉の向こうへと消えていった

オ｢ほなら俺もココ片付けるしじゃあね｣

グ｢扱いが雑か……A行くゾ｣

腑に落ちないのか仏頂面で前を歩いていくグルッペンさんの後を追いかけていく

行く途中で歩幅を合わせてくれるグルッペンさんに嬉しく思う俺だった