【D!】犬か、人間か。【男主】 (ページ22)

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感動に浸っていると突然、グルッペンさんとは違った柔らかな低音のが耳に入る。

驚きのまま声のする方向へと目を向けると、はねっ毛一つない淡い亜麻色の髪を綺麗に分けており白色の瞳のせいか言葉通り真珠のような目、栗色をベースとしたベストにスーツを着ている誰しもが第一印象は紳士と言うような背丈の高い男の人がいた。

その人は椅子に座り優雅に紅茶を飲みながら本を読んでいたのか、机の上には上品なカップを置いている。

『ｸｩﾝ？(誰ですかね...？)』

エ｢ふふっ！誰かわからないって顔をしてらっしゃる、初めましてA、私はエーミールと申します。あなたのことはよく耳にしていますよ｣

まぁお上品だことで、はなまるをあげましょう

少し警戒はしたものの犬相手にこんな上品な自己紹介をする人だ、悪い人ではないだろうと肩の力をぬく。

そんなこんなしていると自己紹介を終えたであろう彼は、ずっとこちらを見ながらどこかソワソワし始めた。

『(...？どうした急に...もしかして犬が苦手とか...？)』

その行動を不思議に思い首を傾げていると、次に彼は俺の目線ぐらいまでにゆっくりと手を下ろしてこう言った。

エ｢お、おいで...｣

『(おっと)』

恐る恐るという言葉と裏腹にその顔はまるで蝶を見つけた子供のように、または猫じゃらしを見る猫のように純粋で雑念のない目を輝かせながらこちらを見ていており、思わず目を瞑ってしまった。

エ｢あっ、いえ決して驚かそうとしたのではなく...！｣

『(ひえ〜っ)』

固まった俺を脅かしたと勘違いしたのか非常に焦っているのかマンガにしていればぼのぼの汗がでているくらいには焦っている。

『(悪くない人どころじゃない、めっちゃくちゃいい人だ...思わず脳みそがとろけてしまった...)』

さて、こんなにもいい人なエーミールさんを放置するのは俺の良心が痛む他ないだろう

俺はゆっくりと彼の手に近づいた。