【D!】犬か、人間か。【男主】 (ページ17)

今日:6 hit、昨日:119 hit、合計:714,193 hit

15 ページ17

猛ダッシュでまだ起きてないであろう人物の私室の前へとやってきた

『(起きててくれたらいいんだけどなぁ...)』

そんな思いは届いていないようで耳をたてれば部屋の中からは寝息が聞こえてくる

とりあえず起こすため扉の前でわんわんと吠える

が、起きる気配がない

なんということでしょう。

『(このままじゃ埒が明かない...部屋に入って直接起こさなきゃ...)』

思いきってジャンプをする、体がまだ小さいせいか何度失敗したがドアノブへと脚をかけることが出来た
そのまま重心をずらし扉を開ける

カーテンがまだ閉めきられているが隙間から零れる朝日がほの暗い部屋の中に入り込み眠気を駆り立てているように
ベッドの中では部屋の住人が寝息をたてながら夢の中にいるようだ

布団から見えるのはグルッペンさんとはまた違う太陽に向かう向日葵のような黄色の短髪が寝癖で所々はねている狂犬ことコネシマさん

気持ちよく寝ているところ申し訳ないが顔に肉球を押し当てわんと一声

コ｢はっ...？！...あれ...？A...？？｣

俺の声にビックリして勢いよく目を開けるが晴天のような鮮やかな水色の瞳はまだぼーっとして焦点が合っていない

『きゃん！きゃん！(起きて！遅刻です！！)』

コ｢ん〜...なんや朝から元気やんけ〜...｣

伝わらない

でも起こさなきゃ朝食に間に合わないというかもう手遅れな気もするがコネシマさんの顔にまた肉球をぐいぐいと力を入れる
コネシマさんの眉間にしわがより起きるかなと思ったらそのまま俺を引き寄せ布団の中へいれてくれた

『(は？)』

コ｢あと5分...｣

寝るな

少し肌寒い季節の朝に彼の体温で温められていた布団の中はとても心地よい空間だったが心を鬼にして布団をひっぺがす

わんわんと吠え壁にかけている時計を見るよう急かす

コ｢ん゛〜...？なんでそんな急ぐんや...って、は...？？｣

そう、時計の針は朝食の時間より10分も過ぎていた

コ｢はぁぁぁああ？！？！！！ヤバイヤバイ！！！なんでもっと早うに起こしてくれんねん！！！！｣

(ギリギリだけど)起こしました

別に声を出さなくてもいいのにうおおおお！！！！と言いながら爆速で彼のアイディンティティでもある赤と黒のユニフォームに着替えて行く

コ｢よっしゃできた！！！！！はよ行くぞ！！！｣

そうして俺を俵持ちして尋常じゃない速さで食堂までの距離は縮まっていく

犬より足の速い彼の運動神経には脱帽してしまう