【D!】犬か、人間か。【男主】 (ページ13)

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あの防犯ブザー鳴らされそうな男改めグルッペンさんを助けてから数日、俺はここで飼われることになった

そしてこの世界についても色々わかってきた

ここは所謂パラレルワールドというやつだ
俺がいた現代とは遥かに違い戦争が何時起きてもおかしくない、それが当たり前の世界だった

でも戦争のあった昔の世界とも違う
現代の服を着ているし端末もパソコンもあり技術が発達している
まるで俺が生前住んでた世界となんら変わりない

『(何でもありだなぁ...)』

そんな世界で絶賛活躍中の｢我々｣と称された国
そこが俺が飼われることになったところ

『(グルッペンさんが我々国の総統って聞いた日にはもう一回死ぬんじゃないかってくらい驚いたなぁ...
合ってるっちゃ合ってるけど邪悪の成分が多いというか...いい人なんだけどな...それはここの全員に言えるんだけども)』

グルッペンさんを襲った敵国の方々が容赦なく叩き潰されてゆく姿を嬉しそうに聞いている彼らは傍から見たらただの狂気でしかなかった

...こんなナイーブになる話は置いといて、明るい話をしよう

今俺の状況としては前にゾムさんが言っていた通りもう少し大きくなったら軍用犬として働くこと、それまでは芸を仕込みつつ基地内の番犬？らしい
ほぼ飼い犬と変わらないけれど

さてこんないいところに飼われている分きちんと働かねばなるまい

そんな俺の仕事、まず朝！みんなを起こして食堂につれていく！

これ案外楽しいのだ、いや本当に

あまりのんびりしていると時間内にみんなを起こせないのでさっそく行ってみよう

まず1人目、恐らくこの基地にある私室の中では1番金がかかっていそうな年季は入っている木製の扉に少し爪を立てカリカリと音を立てる

少ししてガチャリと扉が開くと相変わらず蜂蜜色の綺麗な髪をし黒い軍服を皺のなく着こなしている我らが総統、グルッペンさんだ

グ｢だいぶこの仕事にもなれてきたみたいだな、ご苦労｣

『わふっ(それほどでも)』

こちらに微笑みかけて頭を撫でてくれる様はとても絵になる、初対面の人を殺しそうな目をしたときとは大違いだ
ちょっとした優越感に尻尾を揺らしているとその手はいつの間にか離れまた後でなと言い残し去っていった

その姿を見送りまた次の人を起こしに行く