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90馬鹿 怪しい香りの出所 ページ40

昼食を食べ終わった私達は事務室へと戻りいつものように仕事にかかった。
とりあえず、仕事はしなければならない。情報は彼らに任せているし、自由に動くにはこの溜まった仕事を片さなければならない。いくら学園長から指令を受けているからと言って仕事をサボるわけにはいかない。
私が動くのは仕事が終わった放課後だ。
そう意気込み私は仕事を進めるスピードを速めた。


そして、待ちに待った放課後……。


「よっし!仕事終わりっと……じゃあ失礼しますね」

「お疲れ様です、秋里さん……これから活動するのですね」

「あぁ!」


そう言うと吉野先生はよろしくお願いしますと小さく呟き軽く頭を下げた。
吉野先生のそんな様子を見て私は頷き返し事務室を出た。


「さてと……まずは適当な人捕まえてあのポプリについて詳しく聞いてみるか」


そう呟き一人閑散とした廊下を歩く。
よくよく耳じゃない鼻をすますとあの甘ったるい臭いが僅かに鼻腔をかする。


「……いつの間にこんな匂いが充満してんだ?気味ワリィな……ん?」


スタスタと廊下を歩いていると高等部二年のは組前廊下で射得式杞玻と数人の男女がいた。
私は彼女達にバレぬよう急いで物陰に隠れた。
そして常に持っているボイスレコーダーの録音ボタンを押す。


「はい、コレ今月の分のポプリね!」

「わ〜!ありがとう!杞玻ちゃんのくれるポプリってすっごく身体がリラックスするんだよねぇ」

「そうそう!男の俺でも全然リラックスできるんだよな〜」

「これって確か杞玻ちゃんの会社が作ってるんだよね」

「えぇ、お父様が北部のある地方にしか育たない植物から作っているの……たくさん作っているからお友達に分けてあげなさいって言われてるの、喜んでくれるのなら私も嬉しいわ!」

「こっちこそこんないいポプリをタダでくれるなんてありがとうだよ!」

「もうこのポプリがねぇとやってらんないくらいだぜ」

「そうそう!私なんて一日中持っているくらいだわ!」

「ウフフ、そんなに喜んでもらえて私、とっても嬉しいわ……また無くなったら言ってね?」


そう言い、鮮やかなでそれでいて目に痛いドピンクの小さい瓶を受け取った生徒たちが射得式から離れて行く。
彼らが見えなくなった時には射得式の顔に先ほどの様な笑顔は無かった。
そして、無表情な射得式もその場を後にした。


完全に射得式の姿が見えなくなったのを確認した私はボイスレコーダーのスイッチを切った。
そしてそのボイレコを大事に懐に収めた。

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長月シキカ(プロフ) - ますしんさん» コメントありがとうございます!私もどちらも好きなのでつい書いてしまいました。苦手な方のほうが多いと思っていましたのでこのようなコメントをいただけて本当に嬉しく思います!これからも頑張りますね! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - まさかのリボーン!? 驚きました!!どちらも好きなんです!更新頑張ってください!! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 9d35f6ecdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年6月22日 1時

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