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89馬鹿 怪しい香り ページ39

「てか、兄貴たちは何でこんな時間に?」

「あぁ、今日はレアな鉄道がお披露目される日だからな!早く行って最前列のいい場所を取っておかなくちゃいけないからな!」

「僕も今日はルリィちゃんのデビュー三周年の特別ステージなんだよ、それに握手会も開かれるからこれは絶対に逃がせないんだよ……てかお前仕事は?」

「えっ?……ウワッ!もうこんな時間じゃん!兄貴共もオタ活程々にしろよ!それじゃあディーノさん!」


私はディーノさんに頼むという念を込めた視線を投げつけるとディーノさんは受け取ってくれたらしく任せろと言うように力強く頷いた。
それを見た私はそのまま実家を背に駅へと駆けた。
私が大川学園の正門をくぐったとき時刻は遅刻ギリギリだった。


それからいつものように仕事をこなす。時折鉢屋達のクラスを隠れ見ていた。
鉢屋の頬には痛々しいシップが張られているのが見える。
もしかしたら服の下にも多数の痣があるのかもしれない。
しかし、鉢屋の目は諦めの色はない。いつもの自信あふれた目だった。


その姿を見て私はなおさら頑張らねばならないという気持ちがメラメラと燃え上がる。
私は踵をかえし事務室へと戻った。


そして昼食……いつものように秀作と共に昼飯をむさぼる。
今日のメニューは豆腐定食である。なんか色々ありすぎて胃がもたれるって感じなんだよね〜。
なので今日はアッサリとした定食を頼んだ。


食事を運んでいると女子生徒とすれ違った時通り過ぎ様に甘ったるい香りが鼻腔を擽った。
普通の香水とは少し違う、何と言うか、むせ返るような甘ったるい臭い。
正直私は好みじゃない匂いだ。


「おーい、そこの可愛い子ちゃん!」

「ん?私ですか?秋里先生」

「そうそう、君いい香りを身にまとってるね〜、整髪剤何使ってんの?」

「そ、そうですか?これ杞玻ちゃんから貰ったポプリなんです!すっごいいい香りでもうはなれられないんです〜」

「……そうか、まぁあんまり可愛い香りを漂わせてると私みたいな人にナンパされるぞ〜」

「やだ〜!秋里先生ったら〜!」


女子生徒はキャッキャッと笑いながら私の下へと去って行った。
私の周りにはむせ返るほどの甘ったるい臭いがいつまでも漂っていた。


「……飯がマズくなりそうな香りだなぁ」


ボソッと呟いた時私は秀作に呼ばれた。
私は巡らせていた思考を一旦とめて秀作の下へと急いだ。

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長月シキカ(プロフ) - ますしんさん» コメントありがとうございます!私もどちらも好きなのでつい書いてしまいました。苦手な方のほうが多いと思っていましたのでこのようなコメントをいただけて本当に嬉しく思います!これからも頑張りますね! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - まさかのリボーン!? 驚きました!!どちらも好きなんです!更新頑張ってください!! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 9d35f6ecdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年6月22日 1時

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