54馬鹿 写真の違和感の正体 ページ4
「皆さん、まだ鉢屋君から何も聞いていないのに決めつけるのは如何なものでしょうか?それに生徒を最後まで信じるのが教師の役目ではないでしょうか?」
吉野先生の凛とした声が事務室内に響き、辺りは一気に静寂に包まれた。
さすが、吉野先生の鶴の一声だ。
「さぁ、皆さん今日も仕事は山積みですよ」
パンパンッと手を打ち鳴らすと皆ハッとした表情を浮かべて仕事をし始めた。
私も仕事をしようと思い机に向かおうとしたが吉野先生に引き止められる。
「秋里さんと小松田君は、少々こちらに……」
「あ、はい」
「分かりましたー」
吉野先生に連れられてやって来た事務室の空き部屋に入る。
そして、ドアにカギをかけた。
「秋里さん、写真を見せてもらえませんか?」
「分かりました」
吉野先生にそう言われて懐から例の写真を机の上に置いた。
どう見ても、鉢屋が私以外の女と一緒にホテルへと入るところが写されている。
「ふむ、見れば見るほどおかしいですね」
「あ、やっぱり吉野先生も思います?」
「え?な、何が?」
どうやら秀作だけはこの写真の違和感に気付いていないようだ。
私は、秀作にも分かるように説明を始めた。
「なぁ秀作、写真って普通一人じゃあ撮れないよな」
「う、うん……だけどそれがどうしたの?」
「じゃあ、この写真は一体"誰が撮ったんだ"だろうな?」
「そ、そう言う事なんだね!」
「理解出来たようで何より……この写真の出所が分からん限りこの写真に信ぴょう性はない……今のご時世、合成っていう手もありますからね」
「……秋里さんは、これから調べを進めるのですか?」
「えぇ勿論……鉢屋は私の…ですからね」
「そうですか……我々も協力しましょう、きっと学園長もご協力してくださるはずですよ」
「ぼ、僕も!僕も手伝うよ!」
「ありがとう、ありがとうございます!秀作、吉野先生」
私は二人に向かって礼を言いながら頭を下げた。
頭を上げると二人は暖かい笑みを浮かべていた。
「さっそく、学園長の下へ行きたいのですが、いいですか?」
「えぇ、こういういたずらは早いとこ解決した方がいいですからね」
私は吉野先生に許可を取り、学園長室へと急ぎ足で向かった。
途中で鉢屋の教室を覗こうとしたが、今は学園長に話をする方が先決だと思い学園長先生の下へと急いだ。
学園長室と書かれたプレートを目にやり扉をノックする。
すると「入りなさい」と言う翁の声が聞こえたので私は扉のノブに手をかけ力を込めた。
18人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
長月シキカ(プロフ) - ますしんさん» コメントありがとうございます!私もどちらも好きなのでつい書いてしまいました。苦手な方のほうが多いと思っていましたのでこのようなコメントをいただけて本当に嬉しく思います!これからも頑張りますね! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - まさかのリボーン!? 驚きました!!どちらも好きなんです!更新頑張ってください!! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 9d35f6ecdd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年6月22日 1時