72馬鹿 お前たちが悪いわけじゃない ページ22
そんな竹谷をかわぎりに他の三人も私に抱き着いてくる。そんな彼女達を順番に優しく撫でていく。
自分があんな事を言ったせいで彼女達に自責の念をい抱かせてしまった。
「悪かった、もうお前たちは忍者じゃないのに私はお前たちに無茶をさせてしまったんだな……本当にごめん」
「……違うのだ、たとえAさんに頼まれなくても俺たちは三郎を守るため同じ行動をした、だけどあんな足止めを受けてしまった自分が悔しいのだ」
だいぶ泣き止んだ久々知がそう言う。
だとしても、彼女達を悲しませたのは紛れもない私だ。
「それは違うよAさん……この事件の首謀者は射得式だ、Aさんのせいではないです」
「尾浜……そうだな、早く事件を解決しなければな……とりあえず泣きたい奴は今のうちに泣いておけ、私の胸を貸してやるから」
「Aさん……ありがとうございます、けど僕は大丈夫です」
不破が目に残った涙の雫を指で拭い取ってふわっとした笑みを浮かべて見せた。
うん、やっぱり女の子は笑顔じゃなくちゃな。
不破の笑顔につられて私の笑みを浮かべる。
いつの間にか他の三人も笑顔を浮かべていた。
「フフッ……」
「どうした?鉢屋」
「いや……私は本当に良い友人と恋人を持ったものだなって思って……Aと雷蔵達がいてくれてるおかげで私は乗り越えられる」
「……あぁ、お前は一人じゃないからな、絶対にお前を助けてやる……実を言うと今日良い証拠が手に入ったんだ」
私は先ほど入手した射得式の言葉の事を皆に伝えた。
流石にここで録音を流すわけにはいかないから簡単に伝える。
伝え終わると五年ズは驚いたように目を見開いた。
「そ、ソレって結構ヤバくない!?」
「大川学園の乗っ取り……まさか昔と似たようなことが現代でも起こるなんて」
「早く学園長に知らせないと!」
「あぁ、これは私が学園長に渡すよ……お前たちも射得式には充分に気を付けるように!いいな?」
そう釘をさし私は立ち上がる。
今から渡しに行きたいところだが学園長は今日不在の為明日渡すことにしよう。
今日はあの戦闘マニアとのバトルで非常に身体が痛いのだ。
そんな事をこの子達に言うわけにもいかないがな。
「ワリィ、今日はもう帰るわ、お姉さん年だからね……また明日な」
「あぁ、Aも気を付けろよ」
「分かってるさ……じゃあな」
そう言い手を振ると鉢屋達は手を振り返してくれた。
それを見届けて私は教室を後にし帰路へとついた。
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長月シキカ(プロフ) - ますしんさん» コメントありがとうございます!私もどちらも好きなのでつい書いてしまいました。苦手な方のほうが多いと思っていましたのでこのようなコメントをいただけて本当に嬉しく思います!これからも頑張りますね! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - まさかのリボーン!? 驚きました!!どちらも好きなんです!更新頑張ってください!! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 9d35f6ecdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年6月22日 1時