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63馬鹿 昔の出来事 ページ13

「で?話って何?」

「あぁ、雲雀は"射得式会社"を知っているかい?」

「"射得式会社"?……あの会社はあまり良い噂を聞かないことは知ってるよ」

「アンタもそう思うか……私も調べて見たんだが、この会社ここ数年売り上げがものすっごい悪いんだが情勢は全盛期と全く変わっていないんだ」

「そこまで調べがついているんなら僕のところに来た意味あるの?」

「調べてわかったのはそこまでだ、何故この会社が潰れないのか、潰れない理由は売上以外の金が何処からか出ているという事だろう……しかしその金の出所が分からない、だからアンタの力が必要なんだよ、雲雀こういうの得意だろう?」


そこまで話すと雲雀は酷くつまらなそうな表情を浮かべ頬杖をついている。
やべぇな、このままじゃあ私の頼みを聞いてくれないかもしれない。


「確かに、僕の情報網があれば射得式会社の内情を調べることは簡単だけど……そんなくだらない事を引き受けるほど僕は暇じゃないんだ」

「……まぁアンタならそう言うと思ったが、アンタは私の頼みを断れない!」

「なに?」


つまらなそうな表情を浮かべていた雲雀はピクッと眉を小さく動かした。
私はニヤリと笑みを浮かべて鞄の中に入れてきたある紙を取り出し雲雀の前に突きつける。
雲雀は何だ?というような表情を見せたがすぐにハッと目を見開いた。


「こ、これは……」

「覚えてるだろう?アンタが三年前に書いたやつだよ」


遡ること三年前のある日、暇を持て余していた学生時代の私はこの並盛町をブラブラしていた。
この時の私は不良に見えない不良だったため学校は仮病を使いふけっていた。


並盛商店街の人気のない路地裏を通りかかった私は何やら物音がするのを感じ、その音がする路地裏へと足を進めた。
奥に進むと小さな少年を数人の不良共が取り囲んでいた。
しかし、周りに倒れている不良を見て少年もやられっぱなしではないようだ。


「おーおー!楽しそうな事やってんじゃん!私も混ぜてよ」

「あぁ?何だこのアマ」

「痛い目見ねぇうちにとっとと失せろ!ブス!」


クソな不良が口汚く罵ってくるが私はへともない顔で聞き流す。
そんな態度の私が気にくわなかったのか、不良の一人が私の胸ぐらを掴みながら睨みをきかせてくる。


「聞こえなかったのか?失せろって言ってんだろうが!!!」


不良が私に向かって己の拳を振り下ろした。
私はその拳を"あえて"避けなかった。

64馬鹿 昔の約束でも有効である→←62馬鹿 最強の男、登場



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長月シキカ(プロフ) - ますしんさん» コメントありがとうございます!私もどちらも好きなのでつい書いてしまいました。苦手な方のほうが多いと思っていましたのでこのようなコメントをいただけて本当に嬉しく思います!これからも頑張りますね! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - まさかのリボーン!? 驚きました!!どちらも好きなんです!更新頑張ってください!! (2016年6月25日 19時) (レス) id: 9d35f6ecdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年6月22日 1時

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