５１馬鹿 鉢屋三郎の苦悩 ページ1
あのお茶会から数か月がたった。春から夏を過ぎて今は季節的にはもう秋なのだがまだまだ暑い日が続くある日。
「さ、三郎君、今日の放課後……教室に残っててくれないかな?」
「……はぁ?」
私は今、知らない女生徒からそう言われていた。
何だこの女?下手に出ているようで上から物を言う態度が気にくわない。
いつもの私なら、ここで冷たくあしらう所だがAとの約束もある為とりあえずその申し出を受けることにする。
Aの言った通り相手を傷つけないような言葉を頭の中で組み立てながら言葉を紡ぐ。
「……あぁ、わかっ」
「わぁ!じゃあ、絶対待っててね!」
……前言撤回、手酷く振ってやる!普通、人の言葉を遮って喋るか?普通?
私の中ではありえない!!
こんな事を頭の中で思っている間に女はその場からいなくなっていた。
「三郎!モテ男はつらいですなぁ〜!!よっ!色男!」
「うるせぇよ」
「でも羨ましいよな〜あの子最近隣のクラスに転校してきた噂の美少女だぜ」
「……美少女か?」
あの女がか?Aの方が百億倍魅力的だ。いや、あんな女と比べるのもおこがましいか……。
そう頭の中で思っている間にも男友達はギャーギャーと騒いでいる。
そんなにあの女が良いなら熨斗を付けて差し上げてやるよ。
「おーい!三郎!委員会行こうよー!」
「あぁ、かんえじゃなかった勘凪か、今行く!」
「本当に神様って意地悪だよな〜、あんな可愛い子と同じ委員会とか羨ましいにもほどがある!!」
「それに、い組の久々知さんや不破さんに竹谷さんともなかいいんだろう?美女尽くしでいいよな!鉢屋」
「アイツ等は、昔っからの親友だっての!」
今だにうるさい男友達に軽く言葉をかけながら、勘右衛門の下へと急ぐ。
勘右衛門は、近づいた私の背中をポンポンっと軽く叩いた。
「本当お辛いですね〜、モテ男さん!」
「勘右衛門までからかうなよ……さて、面倒な事になったな」
「そうだね〜、まっ!色々と穏便にすめばいいけど」
「やめろよ、お前の勘は当たりやすいんだから……」
そう言いながら、勘右衛門の頭を少々乱暴に撫でてやる。
勘右衛門はへへへッと笑いながらされるがままだった。
こうして、委員会をすませた勘右衛門と別れた私はあの女との約束通り教室に残り女を待っていた。
しかし、暇つぶしに読んでいた読みかけの小説も読みきってしまうほどの時間がたっても女は来ない。
もう来ないのだと思い帰ろうと腰を上げた瞬間、閉じていた扉が開いた。
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長月シキカ(プロフ) - ますしんさん» コメントありがとうございます！私もどちらも好きなのでつい書いてしまいました。苦手な方のほうが多いと思っていましたのでこのようなコメントをいただけて本当に嬉しく思います！これからも頑張りますね！ (2016年6月25日 19時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - まさかのリボーン！？ 驚きました！！どちらも好きなんです！更新頑張ってください！！ (2016年6月25日 19時) (レス) id: 9d35f6ecdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2016年6月22日 1時
