57馬鹿 お茶は断然綾○派 ページ7
「おばちゃーん、豆腐定食4つ」
「はーい、Aちゃん持って行ってくれるかしら?」
「はーい」
私は用意していた豆腐定食を片手に一つずつ持ってカウンターに顔を出した。そこには紫色の服を着た少年が四人いた。その中の一人だけは見覚えがあった。
「あ、あのグダグダ少年だ」
「なっ!?私は四年い組の平滝夜叉丸だ!」
「ま、グダグダ少年でもある意味当たっているけどな」
「何だと!?この火器オタクが!」
グダグダ少年と赤目の少年が今にも殴り合いの喧嘩を始めそうだ。
私は大きくため息をついて声をかけた。
「おーい、喧嘩なら飯食って外でやってくれ。ほら、後ろも混んできたぞ」
私がそういうと二人は後ろを振り向いてハッとした。そして各自急いで定食を持って席に着いた。
全く騒がしい少年たちだな……
次に来たのは同じ紫の服を着た灰色でふわふわとした髪をもつ少年と金髪の少年だった。金髪の少年はその頭で忍べるのか?
「アンタ達も豆腐定食だよね?てか豆腐定食しかないけど」
「アンタじゃありませーん。僕は四年い組の綾部喜八郎です」
「僕は斉藤タカ丸だよ」
「はいはい、綾タカね。はい豆腐定食お待ち」
私は日本で有名なお茶の名前を連想させる名前で略しながら二人に定食を渡した。タカの方は苦笑いをしていたが、綾の方はどこか不機嫌そうな顔をした。
「悪いな、今は仕事中なんだ。話があるなら後で聞くから、な?」
私は不機嫌な子供をあやすように優しく声をかけた。それが効果的だったのか綾は膨れていた頬をしぼませグダグダ少年たちの下へと向かった。
私はそれを見届けると次の注文を受けた。
まぁ、今日は豆腐定食しかないから注文を受けるのはとても簡単ですぐにさばいてしまった。人がまばらになったころを見計らって久々知に声をかける。
「久々知もそろそろ食事にしなよ。次も授業あるんだろう?ね、おばちゃん」
「そうね、兵助君もうあがっていいわよ」
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
私とおばちゃんに後押しされて久々知は定食を持って調理場を離れ級友のもとへと向かった。
久々知は級友と顔を合わせると笑顔が増した。
ほー、仲良きことは美しきかなだな
私はそれを見ながら残りの人数をさばき始めた。
私だってお腹はペコペコなんだから早く終わらせてやる!!
そう心に決めると自然に仕事をするペースが速くなった。
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年1月30日 13時