96馬鹿 差し入れにおにぎりって定番かな? ページ46
「なぁなぁ!私ともう一度手合せしてくれ!」
「だが断る!!!!」
こいつはあの武闘大会で痛い目に合ったからもう二度とこいつとケンカはしない、てかしたくない!
そう言う意味も込めて即座に断ったがどうやら理解していないらしく少年は駄々をこね始めた。
「何でだ!減るもんじゃ無し!」
「私のライフゲージという名の数字が大いに減るわ!!」
「意味が分からないぞ!」
「だろうな」
このように言い争いをしていると駄々をこねる少年に中在家が何やら囁いている。
それを聞いた少年は「長次が言うなら仕方ない!」と言った。
中在家は何と言ったんだろうか?
「そう言えば小平太はAに自己紹介はしたのか?」
「ん?そう言えばまだだった気がするな!私は六年ろ組の七松小平太だ!よろしくなA!」
「あぁ、よろしく」
駄々こね少年もとい七松は元気よくそう言った。
流石十五歳、元気が有り余ってんな〜
お姉さん感心しちゃうわ。
そんなこと考えているとあることに私は気づいた。
「ん?ひーふー……お前たちの学年って確か六人いたはずだよな?立花に七松中在家、食満に善法寺……潮江がいないんだな。一体どうしたんだ?居残りか?」
「残念だが違うな。アイツは今委員会の仕事中だ」
立花の話によると潮江は会計委員会委員長でもうすぐ始まる予算会議の為会計委員総出で帳簿の確認作業に追われているらしい。
はぁ〜ご苦労なこって。
って待てよ。
「じゃあ、そいつらは夕飯はどうしたんだ?」
「さぁな。そこは文次郎が何とかするだろう。いつもそうだからな」
「ふ〜ん」
潮江はともかく一年生たちはご飯抜きじゃあ可哀想だから後でおにぎりでも持って行ってやるか。
そう思いながら私は止めていた箸を動かした。
少し冷めてしまったが味はそこなわない食堂のおばちゃんってやっぱりスゲーな。
私はいつの間にか座っていた他の六年と他愛もない話をしながら食事を楽しんだ。
食事もすんで六年ズと別れた私はおばちゃんに頼んで会計委員会に差し入れするおにぎりを作って貰った。勿論私もいくつかは作ったがおばちゃんのように綺麗な三角おにぎりには出来なかった。
まぁ、腹に入れば皆同じってことでいいよね?
こうしてできたおにぎりを持って会計室へと向かう。
会計室の障子の前に立つとパチパチとおそらく算盤の玉をはじく音だろう音が響いている。
算盤とか小学校でしかやんないから懐かしいな。
そう思いながら私は障子に手をかけ横にスライドさせた。
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年1月30日 13時