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94馬鹿 難しいことは考えたくないもの ページ44

「そういや、保健室に用があるんだろう?引き止めて悪かったな」

「いや、君と話が出来て楽しかったからね……またねAちゃん」

「……おう」


そう言い雑渡はシュタッとその場からいなくなった。
やっぱり忍者なんだな〜。
私はとうに見えなくなった奴を見送った?後壁ドンの際に落とした箒を拾い風で散らばった落ち葉をもう一度掃き集める。


「Aちゃーん!」

「ん?秀作じゃん。吉野先生の用事終わったのか?」


私がそう聞くと秀作は「うん!」と笑顔で返事をした。
コイツを可愛いと思ってしまう私は末期だな……


「Aちゃん。どうかしたの?」

「ん〜。お前が可愛いなんて思う私は末期だなって思っただけ」

「……僕これでも男なんだから可愛いって言われても嬉しくないよ」

秀作は珍しく頬を膨らませて怒っているようだ。
そんな事をしても可愛いんだがこれ以上怒らせると後がめんどくさくなりそうだから宥めるか……


「悪い悪い。秀作の入出門表にサインを貰いに行くさまとか仕事をしている姿はとてもカッコいいよ。流石学園のへっぽこ事務員だな!」

「褒めてるのか貶しているのかどっちなんだよ〜……けどありがとう。Aちゃん」

「おう!」


どうやら機嫌が直ったようだ。やれやれ
そこで私は先ほどの入門表の事を思いだした。
私は懐を探り入門表を取り出した。


「秀作。コレ渡しとくよ」

「ん?入門表……誰か来たのってこれタソガレドキ忍者隊忍び組頭のサインじゃない!僕この人のサインは中々してもらえないんだよね〜」

「マジか……」


いいな〜と秀作は言うが、アイツ確か敵なんじゃないのか?
まぁ、この学園に危害を加える気はないって言ってたし……てか学園長がアイツに天女討伐を依頼してたんだよな。
それに保健委員会の奴らとも面識があるようだしアイツとこの学園はどんな関係なんだ?


この時の私はきっと難しい顔をしていたのか秀作が声を掛けながら心配そうな表情を浮かべ覗き込んできた。
それに対し私は「何でもない」と返事を返した。


まぁ難しいことは考えなくていいか。どうせ元の世界に戻れば私には関係のないことなんだから……
まぁ、私の気が向いて相手も時間があれば聞いてみてもいいかもしれないか。
私はそう自己解決をして考えることを止めた。

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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年1月30日 13時

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