55馬鹿 人の顔と名前がなかなか一致しない時ってあるよね ページ5
「私は乱太郎ですよ!いい加減に覚えてくださいよ〜!」
「ごめんごめん。んでこちらさんは誰だっけ?」
私は乱造の隣にいる色素の薄い髪色をした少年に目をやった。その少年は先ほどひっくり返った時にできたのか頭にたんこぶが出来ていてアハハと苦笑いを浮かべていた。
「こちらは私が所属している保健委員会の委員長を務めていらっしゃる六年は組の善法寺伊作先輩です!」
「善法寺伊作です。乱太郎たちから話は聞いています。私たちの目を覚まさせていただき本当にありがとうございます」
法善寺は深々と頭を下げた。私はいやいやと首を振る。だからもうお礼はお腹一杯なんだって!!そんな意味を込めて少年を見たが伝わらなかったようだ。
「あー法善寺、私は別に礼が欲しくて行動したわけじゃないんだからもういいよ」
「秋里さん……僕、法善寺じゃなくて善法寺です」
「あ、わりぃ……ま、まぁ善法寺話は変わるが無理して敬語は使わなくていいぞ。無い方が気が楽だし」
「え、そう?じゃあ、お言葉に甘えて」
「お言葉ついでに君の級友にも私には敬語無しでって言うのを伝えといてよ。いちいち言うのもめんどくさいからね」
私がそういうと善法寺は分かったと笑顔を見せその笑顔は年相応の笑みだった。なんだ、いい顔するんじゃん。
そう思いながら私は乱太郎と善法寺と別れた。と言っても彼らは委員会の仕事を終わらせたら食堂で昼食をとると言っていたのですぐ会えるだろう。
「さて、私も早く行かないと」
今日の献立は何かな?とか考えながら食堂へと急いだ。食堂へ着くとおばちゃんともう一人藍色の服を着た少年がいた。ん?あの少年はどこかで見た気が……
私の存在に気が付いたおばちゃんが優しく声をかけると同時に藍色の少年もこちらに振り向いた。
うーん、やはりどこかで見た気がする。
「おばちゃん、この人は?」
「あら、Aちゃん知らないの?貴方兵助君と勝負したんじゃないの?」
「兵助君?勝負?」
私はこれまでの記憶を頭のタンスから引っ張り出すとそういえばあの武闘大会で戦ったような気がする。確かにこんな睫毛野郎いた気がする。まぁ、興味がないからいいから
そう思っていると黒髪の睫毛少年が口を開いた。
「改めて僕は五年い組の久々知兵助です。あの時の武闘大会ぶりですね」
「……あぁ思い出した!あの凄い蹴りを繰り出した藍色の少年か!」
私はそうだそうだと思いながら納得した。少年は今思い出したのかと言いたげな顔をしていた。
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年1月30日 13時