７６馬鹿 かわいこちゃんに応援されると俄然やる気が出る ページ26
「おい勘右衛門、お前一体何をしたんだ?」
「いや、女の声で頑張れって言ってくれって頼まれたから言ったら、あぁなった」
「Aさんって……」
「やっぱり変かも……」
そんなことを呟いていたのをAは知らない。
一気に頂上まで登り切った噂の種にされているAは石段の上から呑気に大きな声で叫んでいる。
「おーい、早く来いよ〜」
「はいはい」
四人というより主に鉢屋がわざとらしくため息をつき歩くスピードを速めすぐに頂上へと登りつめた
私と合流した四人は早速和尚のもとへと急いだ。
「和尚様、学園長先生からお荷物のお届けに上がりました」
「おぉ忍術学園の生徒たちか、ご苦労じゃった……ん?見慣れないお方じゃな。新しい先生かの?」
「お初にお目にかかります、私忍術学園で働かせていただいております秋里Aと申します。本日
は忍たまと共にこちらに伺った次第にございます」
「ほうこれはご丁寧にどうも」
私は和尚に向かい深々と頭を下げ自己紹介をした。
いつもと違う私をみて四人は口を顎が外れるんじゃないかって言うぐらいに口を開けていた。
初対面は第一印象が一番大事だからね。
てか驚きすぎだろうが、だてに何日も就活してねぇよ!
私たちは和尚に荷物を渡した後少しばかり話をして別れの挨拶もほどほどに金楽寺を後にした私たちは帰路についていた。
帰路の途中一軒の団子屋を見つけたので休憩を取ることになった。
ちなみに休憩しようと言い出したのは一年生ではなく五年生の尾浜だった。
お前はガキか、いや私から見たら全員ガキだけどな。
鉢屋たちが手際よく団子を五皿頼むと店の奥から店主らしき男の声が響いた。
「Aさんここのお団子屋さんって美味しいって評判らしいですよ」
「へ〜、それどこ情報?」
「同じ組のしんべヱです」
「ほ〜、そりゃあ楽しみだ」
しんべヱのいう事なら確実だ。
どんな団子なんだろうか、わくわくしてきた。
元の時代にいたときはあまり団子とか食べなかったけど。こう見えて甘党だ。
私は団子が来るのを今か今かと待っていた。
すると店主が五皿の団子と人数分のお茶を盆の上に乗せてやってきて、団子とお茶を私達に配った。
そして、一礼してまた店の奥へと下がっていった。
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2016年1月30日 13時
