検索窓
今日:29 hit、昨日:10 hit、合計:121,258 hit

70馬鹿 用事とは一体 ページ20

一年い組ろ組の子達と食事をしてから数日が立ったある日、私は学園長先生に呼ばれていた。
ヘムヘムが淹れてくれたお茶を啜りながら学園長の言葉を待つ。
学園長はお茶をズズッと啜り口を開いた。

「今日Aを呼んだのは他でもない。この荷物を金楽寺の和尚の所に届けてはくれぬか?」

「金楽寺の和尚?誰っすか?私場所知らないっすよ。てか何で急に、忍たまの誰かに頼めばいいじゃな
 いですか」

「いっぺんに言うんじゃない!」


学園長はコホンと咳払いをして話を続けようとした。
私はお茶を喉に流し込む。


「お主、最近元気が無いようじゃのぅ。忍たまたちが噂しておる……ため息が多かったりふと空を見
 上げて遠い目をしているそうじゃないか」

「あぁ、確かに……」


思い返せば家族を思い出して無意識のうちにため息をしていたような……
そんな所まで見られていたのか、忍たまの奴らめ〜


「お主の事じゃ、恐らく家族の事を思って憂えておったんじゃろう……そこでじゃ、気分転換もかね
 て学園の外に出てみてはどうかと思ってお使いを頼んだのじゃ」


「はぁ、そりゃあ……お気遣いどうも。ですがさっきも言った通り私はその金楽寺とやらの場所なん
 て知らないですよ」


私は空になった湯呑を手で遊びながら学園長に聞く。
学園長はふぉっふぉっふぉと笑い言葉を紡いだ。


「そこは安心せい、学級委員長委員会の者を付き添いにつけよう」

「はぁ、そりゃあどうも。だけどいいんですか?いくらなんでもそんなことに忍たまを使う訳には」

「付き添いをすると言い出したのは彼らなのじゃぞ」

「でも、私この服以外に服なんて持ってないですよ」

「服は山シナ先生にもう頼んでおる。ほれ来たようじゃぞ」

学園長がそういうと障子の向こう側から山本先生の声が聞こえる。
学園長は「入れ」と言うと山本先生はゆっくりと障子を横にスライドさせ部屋に入ってくる。


「学園長先生、Aさんを迎えに参りました」

「おぉ山本先生、よろしく頼みますぞ」

「はい、さぁA行くわよ」

「へ、いや行くってどこに!?」


山本先生は私の手を掴んで学園長の部屋を後にした。
スタスタと歩き向かう先はくノ一教室の一室を借りている私の部屋だった。
私の部屋の中には色とりどりの綺麗な着物とくノ一教室の女の子達がたくさん置いてあった。
ここは初売りバーゲンか!?で女の子たちはキャンペーンガールか!!

71馬鹿 まるで着せ替え人形のようだ→←69馬鹿 家族の話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
設定タグ:忍たま , rkrn
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年1月30日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。