70馬鹿 用事とは一体 ページ20
一年い組ろ組の子達と食事をしてから数日が立ったある日、私は学園長先生に呼ばれていた。
ヘムヘムが淹れてくれたお茶を啜りながら学園長の言葉を待つ。
学園長はお茶をズズッと啜り口を開いた。
「今日Aを呼んだのは他でもない。この荷物を金楽寺の和尚の所に届けてはくれぬか?」
「金楽寺の和尚?誰っすか?私場所知らないっすよ。てか何で急に、忍たまの誰かに頼めばいいじゃな
いですか」
「いっぺんに言うんじゃない!」
学園長はコホンと咳払いをして話を続けようとした。
私はお茶を喉に流し込む。
「お主、最近元気が無いようじゃのぅ。忍たまたちが噂しておる……ため息が多かったりふと空を見
上げて遠い目をしているそうじゃないか」
「あぁ、確かに……」
思い返せば家族を思い出して無意識のうちにため息をしていたような……
そんな所まで見られていたのか、忍たまの奴らめ〜
「お主の事じゃ、恐らく家族の事を思って憂えておったんじゃろう……そこでじゃ、気分転換もかね
て学園の外に出てみてはどうかと思ってお使いを頼んだのじゃ」
「はぁ、そりゃあ……お気遣いどうも。ですがさっきも言った通り私はその金楽寺とやらの場所なん
て知らないですよ」
私は空になった湯呑を手で遊びながら学園長に聞く。
学園長はふぉっふぉっふぉと笑い言葉を紡いだ。
「そこは安心せい、学級委員長委員会の者を付き添いにつけよう」
「はぁ、そりゃあどうも。だけどいいんですか?いくらなんでもそんなことに忍たまを使う訳には」
「付き添いをすると言い出したのは彼らなのじゃぞ」
「でも、私この服以外に服なんて持ってないですよ」
「服は山シナ先生にもう頼んでおる。ほれ来たようじゃぞ」
学園長がそういうと障子の向こう側から山本先生の声が聞こえる。
学園長は「入れ」と言うと山本先生はゆっくりと障子を横にスライドさせ部屋に入ってくる。
「学園長先生、Aさんを迎えに参りました」
「おぉ山本先生、よろしく頼みますぞ」
「はい、さぁA行くわよ」
「へ、いや行くってどこに!?」
山本先生は私の手を掴んで学園長の部屋を後にした。
スタスタと歩き向かう先はくノ一教室の一室を借りている私の部屋だった。
私の部屋の中には色とりどりの綺麗な着物とくノ一教室の女の子達がたくさん置いてあった。
ここは初売りバーゲンか!?で女の子たちはキャンペーンガールか!!
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年1月30日 13時