検索窓
今日:21 hit、昨日:10 hit、合計:121,250 hit

63馬鹿 迷子センターは飴をくれる ページ13

「おー片付いたじゃん」

「うん、Aちゃんのおかげだよ、ありがとう!!」

「いやいや、言ったでしょ私は必要な書類があったから探しただけ」


私は机の上に置いてあった白紙の紙束から一枚の紙を手に取ってヒラヒラと秀作に見せつけた
その姿に目を丸くした秀作だったがやっぱり笑顔になる。
そしてもう一度「ありがとう」と言った。それを見届けて私は部屋を退室した。
私が障子を閉めた瞬間、吉野先生が廊下の奥から現れた。


「おやAさん、一体どうしたんですか?」

「いえ、白紙の紙が必要だったんでこの部屋に取りに来たんですよ」

「ほう……まさか小松田君を手伝ってはいないでしょうね?」

「いえいえ、私が取りに来たときにはもう部屋は綺麗になっていましたよ」


私がそういうと疑いの目をかけていた吉野先生は「そうですか」と言って部屋の中に入っていった。
吉野先生が部屋の中に入っていったのを見届けて私はその場を後にした。
長い廊下をトコトコと歩いていると前から一人の少年が慌てて駆けてくる。


「少年、そんなに慌ててどったの?」

「あぁ秋里さん!左門と三之助を見なかったですか?」

「左門?三之助?……あぁあの迷子の二人か、てことは君は富松か」

「そうです!富松作兵衛です。で、二人を見ませんでしたか?」


作兵衛はとても焦った様子で私に訊ねてくる。
私は今までの事を思い出したが二人の姿はなかった。


「悪いな二人は見てないよ」

「そうですか……」

「もし二人を見たら君の所に行くように言っておくよ」

「いえ、見つけたら大きな声で俺を呼んでください、そしてその場を動かないで下さい。お願いしま
 すね!!」

そう言い作兵衛は廊下の向こうへと消えていった。
あの子も大変そうだな……
私は同情の念を少しばかり心に宿しながら廊下を降りてグラウンドの方へと歩みを進めた。


何故グラウンドかって?特に意味はない。
私がグラウンドを歩いているとどこからが「あっちだーッ!」とか「こっちだーッ!」という叫び声が聞こえる。
聞こえる方へと顔を向けると草むらから人が飛び出してきた。


「忍たま長屋はどっちだー!!」

「はーい、ストップ」

「グエッ」


飛び出してきた人影を持ち前の反射神経で襟首を捕まえた。
そのせいで少年がグエッと苦しそうな声を上げたが仕方がない

64馬鹿 迷子のお届けに参りました→←62馬鹿 片づけはやる気を出すのに時間がかかる



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
設定タグ:忍たま , rkrn
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年1月30日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。