【ONE PIECE】幻獣達と夢を見る～アラバスタ編～ (ページ38)

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８８幻獣　時が止まるページ38

「グリモワール!これは一体!?」

"見ての通りお主の周り全ての時を止めておるのだ……それより何故お主は腕よりあの王女の命を取った?あの者を放っておけばお主は両腕を失わずに済んだものを"

「あの子は生きなければいけない、あの子がﾀﾋんでしまったらこの国はもう元には戻らない……あの子を救う為なら腕の一本や二本惜しくはない!!」

"……ならそのない腕でこれからどうするのだ?魔導書も出せず何も出来ぬ人間以下になり下がったお主に何が出来る?"

「……なら今ここで貴方に魂をやる、そして皆を助けて貰う」

"!!良いのか?折角あの場所から抜け出して人生これからって時にワシに魂をやるのか?"

「……今ここで皆を助けられず余生を過ごしたって後に残るのは後悔だけだ!!私はもうあんな思いはしたくない!!」

ハーハーと荒く息を吐く。
叫んだことによって体に力がはいりない腕がジクリと痛んだ。

"……まぁ今お主にここでﾀﾋなれてもワシが困る、良いじゃろう、そのない腕ワシがもう一度授けてやろう、その腕で救って見せろ……ただし次はないのじゃからあまり自分の身を犠牲にするでないぞ"

その声が遠のいた瞬間、今まで止んでいた水の音が耳に飛び込んでくる。
グリモワールが止めていた時間が再び動き出したのだ。
私はハッとして自分の腕に目をやる。

「!A貴方腕が!!」

「すげーー!腕が生えた―!!おれも生えるかな?」

「普通は生えねぇよ!!Aそれも召喚士の力なのか!?」

「……グリモワールが助けてくれたんだよ…さぁ急いでここを脱出しないと、皆少し下がって」

私は本を取り出し本のあるページを手早く開いて手を置いた。
そして目を閉じゆっくりその手を上にあげると本が徐々に光を帯び私の手には一つの剣が現れた。

「幻剣"慈悲の剣カーテナ"」

慈悲の剣カーテナはその昔のイギリス王家に代々伝わる聖剣で普通の剣とは違い先の方に遮断された壊れた刃を持ち神話では不法な殺害を防ぐため天使がその刃を折ったとも言われている。byウィキ○ディア様

この剣なら間違っても皆を傷つけることは無い。
私はその剣を大きく振りかぶって鍵を壊そうとした時ナミの悲鳴が耳に届いた。

「A!後ろ!!」

「!?」

私の後ろには歯の折れたワニとは別のワニが私を食べようと大口を開けて此方に向かっていた。
この距離では避けられない、そう思って少しでも自分の身を守るように持っていた剣をワニに向けた。
その時聞きなれた男の声が部屋の中に響いた。