７７幻獣 ついについた"レインベース" ページ27
日が沈みまた日が昇る。
少しの仮眠を取りながら進んでいると前方に町らしきものが目に入る。
「見えた!!――あれが"レインベース"よ!!」
「着いたのか〜〜〜っ!?よーーし!!クロコダイルをぶっ飛ばすぞ!!!」
「「ミドゥ――――(水)!!」」
「うるせぇなァお前ら……」
「アハハ、元気なようで何より……おばさんはちょっと厳しいわ」
そう乾いた笑みを浮かべると近くにいたゾロが「何言ってんだ」と軽く私の頭をコツンッと小突いた。
言っておくがゾロの小突きは結構痛い。やっぱり鍛えているからかな。
「そうだウソップ、頼んどいたアレ出来てる?」
「アレ?」
「オオ…アレか出来てるぜスゲェのが……見ろ!これがお前の新しい武器!!"天候棒(クリマ・タクト)"だ!!!」
そういい懐から取り出したのは三つの棒だった。
作った本人であるウソップさんが言うにはその棒はただの棒ではなく組み合わせ方を変えると攻撃方法が変わるのだという。
ウソップさんスゲェな。
「オイお前ナミさんにあんまり危ねェもん持たすんじゃねェぞ?別に戦わなくってナミさんとビビちゃんとAちゃんはこのおれが守るんだからよっ!!"王子様(プリンス)"と呼べ!!ハハ」
「サンジさんどこ向かって言ってるんだ?」
「ほっとけ……プリンス」
「ぶっ飛ばすぞてめェっ!!」
ゾロが馬鹿にしたようにプリンスと言うとサンジさんも噛みついてくる。
意外とこの二人って息合ってんだよな。
「ところでバロックワークスは俺たちがこの国にいることに気付いてんのか?」
「恐らくね……Mr2にも遭ってしまったしMr3がこの国に入っているのだから…まず顔が知られているとみて間違いないと思うわ」
そう言うビビさんにルフィさんは結局はクロコダイルをぶっ飛ばすと言う。
それにウソップさんがツッコミをいれるがビビさんもルフィさんの意見に賛同した。
まぁ最終的はそうなるからね。
それにしても町に近づくにつれて悪寒が強くなってる気がする。
一体何なんだこの悪寒は……。
無意識に肩をさするとそれに気づいたゾロが私に声をかける。
「おいどうした」
「あ、いやなんでもないよ」
「……まさか、お前の右腕がなんか」
「いやこれは関係ないと思う……本当に大丈夫だから、ありがとう心配してくれて」
「……おぅ」
ニッと笑みを浮かべながら素直に礼を言うとゾロはぶっきらぼうに言葉を発しながらフイッとそっぽを向いた。
素直じゃないなぁ。まぁゾロが素直だったら明日槍が降るか。
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2016年8月29日 22時
