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9馬鹿 私が消えた後 ページ9

「そうだ、この際だから聞いちゃうけど、私が消えた後…皆どうなった?」

「Aさん、ずばり聞くねぇ」

「あ、ゴメン。嫌だったら無理して答えることはないぞ」


私は急いでそう言いなおすと皆「別にいい」といい話してくれた。
最初に口を開いたのは意外にも不破だった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Aさんが消えて一番変わってしまったのは勿論三郎だった。
まぁ、三郎にとっては初めて愛した人が消えるのを目の前で見たからね、その後から三郎は無理な忍務受けたり、忍務がない日は食事もとらず部屋に閉じこもる様になっていった。


「三郎、少し休みなよ。これ以上忍務を受けると身体壊しちゃうよ?それにご飯も食べていないみたいだし……」

「雷蔵か……私の事は放って置いてくれ」

そう言う三郎を僕たちは放っておけるはずがない。
僕たちは定期的に三郎にご飯を持っていったりしたけど三郎は中々ご飯を口にはしなかった。
けど、僕たちは三郎にご飯を持って行き続けた。
その時の三郎の顔は今でも覚えてる。目の下には酷い隈をこさえていて頬は長いこと食事を摂っていないせいで痩せこけていた。


そして、僕たちは話し合いの結果ある結論にたどり着いた。
三郎が、"タヒに急いでいる"という結論に……。


僕たちは急いで三郎の部屋へと向かうと三郎が自分の首に苦無を当てている場面に出くわした。
八左ヱ門は急いで三郎から苦無を奪い取り、兵助と勘右衛門が苦無を持っている八左ヱ門に近づけさせないよう三郎を押えつけた。


僕は静かに三郎に近づいてその痩せこけた頬を平手打ちした。
パシンと乾いた小さくしかしハッキリとした音が部屋にこだまする。


「!……雷蔵?」

「三郎、お前って奴は!馬鹿じゃないのか!そんな事してAさんが喜ぶとでも思ってるのか!?」

「……私には無理だ、Aのいない世界でなんて生きる理由がないじゃないか!」

「馬鹿!お前、Aさんの最期の言葉を忘れたのか?」

「!!」

「Aさんは、未来で待ってるって!三郎のいない世界で今もお前を待っているんだよ……それにAさん言ってたじゃん、最後まで生きろって……三郎はそんな彼女の最後の約束を破る気なのか!」


ここまで言いきると、三郎はその目からボロボロと大粒の涙の玉をこぼし始めた。
そしてその涙を流しながら嗚咽も一緒に溢した。
そんな彼の方にソッと触れて僕は静かに三郎を見つめていたんだ。

10馬鹿 良い仲間を持つことは良いことだ→←8馬鹿 突然ですがここでお知らせです



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長月シキカ(プロフ) - 月花道蒼斗さん» コメントありがとうございます!私も絶対可愛いと思います^ ^ これからも頑張りますので、よろしくお願いしますね( ^ω^ ) (2017年5月22日 23時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
月花道蒼斗(プロフ) - こっちの方にも来ました!やっぱりいいですね!四年生と五年生の女の子バージョン見たいですね。本気で見たい。絶対可愛い。 (2017年5月22日 23時) (レス) id: 53496b0259 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - 舞姫桜さん» コメントありがとうございます!こんな作品を楽しみにしていただけているなんてとても嬉しく思います!これからも頑張りますのでどうかよろしくお願いしますね( ^ω^ ) (2016年6月13日 11時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
舞姫桜 - 来ちゃいました。毎回、とても楽しませて頂いています!更新頑張ってください! (2016年6月13日 9時) (レス) id: 308a4dd197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年5月22日 23時

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