３８馬鹿 ランチは逃げてはいかない ページ38
「っはぁ〜!面白かったー!!」
「意外と楽しめたな」
「うん、あの最後の終わり方とか馬鹿すぎて笑えちゃったよ〜!」
「……お前の楽しみ方は何処かずれてないか?」
約一時間半の映画を見終わった私は映画館を出て外の空気を思いっきり肺の中に取り入れる。
そんな様子を鉢屋はただただ眺めていた。
「さて、これからどうする?もうすぐ昼飯ごろだが」
「じゃあ、どっかで食べてこっか……食べながらこの後の事を考えようよ」
「そうだな、ここからだと……このカフェとかどうだ?」
鉢屋はポケットの中から取り出したスマホでスイスイとマップを操作して私に画面を見せる。
その画面にはおしゃれな内装の店内と数々の料理の写真が載せられているカフェの情報が記載されていた。
このお店はこの時間ならランチタイムを開催しているようだ。
「うん!この店ならここから近いし、料理も美味しそうだな!私はここでもいいけど鉢屋は?」
「Aがいいなら私もそこでいいさ」
「……鉢屋、お前何でも私基準にしなくていいんだぞ?」
「大丈夫さ、私はお前が全てなんだから……本当に幸せなんだよ」
鉢屋は己の右手で私の手を優しく包み込む。
その手の暖かさで鉢屋が本気でそう思っているというのがなんとなくだが分かる。
本当になんとなくだが……。
「そか、ならいいんけど……あと、私も……幸せ、だよ」
「!A」
「さ、さぁ早く行こう!ランチが逃げていくだろ」
「いや、逃げたりしないって……ありがとう」
鉢屋が発した最後の小さな言葉を聞きとった私は鉢屋の方へ振り向いてニカッと歯を見せて笑みを見せる。
その時の鉢屋の顔は多分一生忘れないだろう。鉢屋はとても優しい笑みを浮かべて私の下に駆け寄った。
そして、もう一度手を握ってあるカフェへと歩みを進めた。
映画館からはそんなに離れてはいないそのカフェは歩いて約15分くらいかかった。
歩いたおかげで胃の中にあったポップコーンが消化されて丁度いい感じにお腹がすいてきた。
店に入る前からいい匂いが漂っている。
「ふわぁ〜、いいにお〜い……これなんの香りかな?」
「多分、この店のランチのメニューだろうな……確かに良い香りだ」
「香りだけでもこんなに良いなら、味にも期待できそうだな」
「あぁ、さっそく入るとしようか」
「うん!」
鉢屋の言葉に頷いた私は鉢屋と共にカフェの扉に手をかけて店内へと入って行った。
カランコロンと良い音を立てた扉はゆっくりと閉まっていく。
３９馬鹿 この感情の名前は?→←３７馬鹿 ポップコーンって美味いよね
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長月シキカ(プロフ) - 月花道蒼斗さん» コメントありがとうございます！私も絶対可愛いと思います^ ^ これからも頑張りますので、よろしくお願いしますね( ^ω^ ) (2017年5月22日 23時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
月花道蒼斗(プロフ) - こっちの方にも来ました!やっぱりいいですね!四年生と五年生の女の子バージョン見たいですね。本気で見たい。絶対可愛い。 (2017年5月22日 23時) (レス) id: 53496b0259 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - 舞姫桜さん» コメントありがとうございます！こんな作品を楽しみにしていただけているなんてとても嬉しく思います！これからも頑張りますのでどうかよろしくお願いしますね( ^ω^ ) (2016年6月13日 11時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
舞姫桜 - 来ちゃいました。毎回、とても楽しませて頂いています！更新頑張ってください！ (2016年6月13日 9時) (レス) id: 308a4dd197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2016年5月22日 23時
