【MHA】二つの口は愛を語りたい＝第三部＝ (ページ1)

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101話ページ1

世間が賑わう雄英高校体育祭が無事終了してから数週間が経ち、学校内はだいぶ落ち着きを取り戻していた。

あの後、最終種目であるガチバトルトーナメントは全て恙なく行われ順位が決まった。
人使君と戦った緑谷君は二回戦目で轟君とかち合ったが惜しくも敗退しベスト8に入る結果となった。

準決勝、決勝と次々と派手な試合が続いたが、最終的に一位の座についたのはあの爆豪君だった。
二位に轟君、三位に鳥のような頭をした常闇君と飯田君の二人がその席に着いたのだが、飯田君は諸事情で早退したらしく、表彰台に立ったのは常闇君一人だけだった。

この体育祭を全て見終えた私は、とある事を考えていた。
人使君の役に立てるような知識を得るには書籍やネットだけではやはり限度がある。
そうなればやはり、それぞれのトレーニング法を実践している力をつけている人にその方法を聞く他ないだろう。

体育祭を見て声をかけようと思った人物は、三人いる。
まず一人目は、この体育祭で一位の座についた爆豪勝己君。
先の戦闘を見る限り彼はおそらく天性の才能を持った人物であろうから、彼からはもっと質の高い体力づくり、そしてスタミナの底上げ方法を聞きたい。

二人目は、一回戦の二試合目に轟君と対決した瀬呂範太君だ。
彼の戦いは轟君に瞬殺されてしまった為彼の全力は測れていないが、彼の肘から出たテープのような物に興味を持った。
多分、あのテープが彼の個性なのだろう。

彼は試合の中で人間一人をテープの力で浮かし動かしていた、そんなテープならきっと自分自身も動かせる筈だ。
人使君はバカスカ殴り合うような戦闘は好まないから、空中戦を想定し彼にはその時の身体の動かし方を聞こうと思う。

そして三人目は、緑谷出久君。
彼には色々と聞きたいことがあるが、一番に聞きたいのはどうやって人使君の洗脳を解いたかだ。
現時点で人使君の洗脳の解除方法は人使君自身が解除するか、軽い衝撃による解除法しかない。

人使君の個性である洗脳の強度を上げるために、それ以外で洗脳を解いた緑谷君にはその方法を聞き出すとしよう。

そう頭で考えている間に、雄英体育祭はその幕を下ろし一日が終わっていた。
体育祭後、二日間の休みで体育祭での疲れを癒した私達生徒は、いつもの学校生活に戻った。

出来る事ならすぐにでも彼らから話を聞きたかったが、ヒーロー科の生徒は一週間の職場体験があると知り、それなら忙しいだろうと思い時間を空けることにしたのだ。