最終無個性 ページ48
「で、でも! 昨日俺が聞いたときにはそうだよって」
「それは、自分が二週間の間こいつの病院を手伝うことになったことを言ったつもりだったんスよ。職員室でもその話をしたし」
「てことは、全部上鳴の勘違いじゃねぇか!!」
「このアホ面がぁぁ!! てめぇぶっ殺すっ!!」
どうやら、昨日の会話の中で勘違いを起こした上鳴君の言葉で、A組の中では私は用務員を辞めることになっていたらしい。
勘違いでもそれを鵜呑みにしてしまった自分への怒りか爆豪君が上鳴君を殴りつけようとするのを切島君が「まぁまぁ」と止めている。
「離せクソ髪! こいつは一発殴ってやらねぇと気がすまねぇっ!」
「落ち着けって! 上鳴だって悪気があったわけじゃねぇんだし。それに結果Aさんが辞めないってことが分かったんだからいいじゃねぇか!」
「まぁ、自分も説明不足だったっスから上鳴君が勘違いするのも無理ないっス。ごめんなさいっス」
そう言って頭を下げると、彼らから良かったと安堵の声や息遣いが聞こえてきた。
「……A」
「ん?」
「……愛されてるわね」
「でしょ?」
そう言って笑うと、夢彦はフゥと息を吐きつつ綺麗な笑みを浮かべる。
「さて、そろそろ行くわよ。アンタにはうちの病院でみっちり働いてもらうんだから」
「分かってるっスよ。じゃあ1-Aの皆、行ってくるっス」
「行ってらっしゃい! Aさん」
私は生徒たちの見送りを受けながら、夢彦が運転する車へと乗りこんだ。
やがて夢彦がアクセルを踏むと、車はゆっくりと進み始め生徒たちが少しづつ遠ざかる。
数日前は生徒たちから嫌われたのではないかと心配したが、そんな心配は杞憂だったことに心底安心した。
生徒たちから溢れんばかりの愛を受けとり私の口元は無意識のうちに弧を描く。
あぁ、私はなんて幸せ者なのだろうか。
私は泣きそうになるくらいの幸せを噛みしめんとそっと目を閉じるのだった。
〜終〜
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
