４０無個性 ページ40
夢彦が発した意味深な言葉が頭の中で旋回しつつも、私は自分がすべき仕事をたんたんと終わらしていく。
そして時は放課後となりやるべき仕事を全て片付けた私の耳に扉が開く音が飛び込んできた。
開けたのは宣言通り夢彦だった。
「A いいかしら?」
「もう仕事は終わっているからこっちは大丈夫っスよ……じゃあついてくるっス」
校長に事前に許可をもらっていた仮眠室へと夢彦を連れ中へと入らす。
仮眠室に設置されているソファーに夢彦が座るのを見届け、私も彼に向かい合う様に腰かけた。
「よくこんな部屋使うの許可されたわね」
「ちゃんと理由言ったら許可貰えるんスよ。夢の改まった話しようからここ借りたっスけど」
本当は許可貰うのに結構時間がかかったのは内緒である。
そりゃあ、あんな事件があった後にまた仮眠室を貸してくれなんて、普通は許可くれないだろう。
結局、なんとか校長を説得して借りることが出来たから良しとしよう。
なんて事を私が思っているとはつゆ知らず、夢彦は目を細め口に弧を描く。
「まぁ、私も人目が無い方が話しやすいから助かるわ」
「それで、自分に話ってなんスか?」
私がそう聞くと、夢彦は暫く口を閉じていたが意を決したのか口を開き言葉を紡ぎ出した。
「私さ……最近、アメリカで総合病院を開院したの」
「へぇ、それは凄い! 病院の開院は夢の学生の頃からの目標だったもんスね。おめでとう、本当におめでとう」
夢彦の発表に、私は自分のことの様に喜んだ。
学生の頃から「私は絶対に病院を自分の手で開くの!」と息巻いていたから、きっと私じゃあ想像もできないくらいの努力を重ねたのだろう。
そう思うと、思わず涙ぐんでしまう。
「あらあら! なにアンタが泣いてんのよ」
「いや、夢彦の長年の夢が叶ったことが嬉しくてね。本当に、おめでとう」
「もう、夢って呼んでっていつも言ってるじゃない! でも……ありがとうA。アンタが親友で本当に良かったわ」
夢彦はそう言い綺麗な笑顔を私に向ける。
その笑みに習う様に、私も笑みをうかべた。
すると、再び夢彦が口を開いた。
「さて、本題に戻るけど……アンタ、ここの用務員辞めて、うちの病院に来る気ない?」
夢彦の口からでた言葉に、私の涙は一瞬で引っ込んでしまった。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
