１８無個性 ページ18
「それなら俺と組手でもするか?」
「えぇ!? その申し出はありがたいっスけど、先輩も鍛練しに来たのに私がいたら」
「別に構わん。それに一度お前の実力を把握しておきたかったし、今ここで組手すればお前の実力も分かるしお前は体を動かせる。合理的だろ?」
ニヤリと笑みを浮かべなんとも合理的主義者らしい発言をする相澤先輩に私は「左様っスか」と言うしかできない。
しかし、一人で動くよりプロヒーローである先輩と組手した方が自分の戦闘力強化にもつながるだろう。
なにより相澤先輩からの直々の提案だ、断る理由はない。
「そこまで仰るのなら、是非お相手お願いするっス」
相澤先輩に深く頭を下げそう言うと、彼は小さく「あぁ」と返事をし傍にいたセメントス先輩のほうを向き口を開いた。
「じゃあセメントス、頼んだ」
「分かりました」
相澤先輩の言葉でセメントス先輩は体育館の地面に両手をついた。
すると地面がまるで粘土の様に柔らかくなりいくつかの山のようなものに構築されていく。
流石は"セメント"の個性をもつセメントス先輩の力だ。
「これぐらいでいいですか?」
「えぇ」
「では次にルールを決めましょうか。まずイレイザーヘッドは個性と捕縛武器の使用は禁止で秋嶋さんもエアガンの使用を禁じます」
「分かった」
「了解っス!」
「勝敗は、先に"参った"と言ったほうが負けとしましょう。お互いに無理のないように」
私と相澤先輩を見やりながら目を細めるセメントス先輩に、私は首を縦に振った。
そして私達はセメントス先輩が作り上げたフィールドの中へと立つ。
「お二方準備はいいですか?」
「秋嶋、準備オーケーっスっ!」
「いつでもいける」
「それでは……レディィ、スタートッ!!」
セメントス先輩のスタートの声が体育館に響いた瞬間、相澤先輩が地面を蹴り私に向かってくる。
そして拳を握り私の顔付近にめがけて勢いよく伸ばしてくるので、それを避け伸びた腕を掴みその勢いのまま背負い投げた。
しかし、相澤先輩はそのまま地面に伏せることなく空中で上手い事体勢を立て直し足から着地した。
「やっぱプロヒーローってスゲェっスね」
「話してる余裕あんのか」
私の言葉に冷たく返した相澤先輩は地面を蹴り上げ姿を消す。
いや、消したのではなく物凄い跳躍力で私の前から消えたように見えるのだ。
そして素早く私の後ろに回り込んだ相澤先輩が鋭い蹴りを私にくらわしてくる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
