２無個性 ページ2
あの事件後、再び雄英に戻ることが出来た私は迷惑をかけた分を補うよう今まで以上にバリバリと働いた。
勿論、働きすぎて倒れたら元も子もないので適度に休憩はちゃんと取っている。
そして今は昼休憩で職員室で昼食タイムである。
本日は、コンビニで買ったサンドイッチとサラダだ。
「いただきます」
両手を合わしそう言った私は、サンドイッチの包装を破りサンドイッチを口に運ぶ。
中身はツナマヨだ。
モグモグと咀嚼し、今度はサラダに手を付けようとサラダの包装を破き蓋をあけると、私は「ゲッ」と声をもらした。
私が声を出す事になった原因は、サラダの中に入っていたトマトである。
実を言うと、私はトマトが一番嫌いなのだ。
レタスや玉ねぎなどに守られるように鎮座するトマトは包装された状態では気付けなかったのだ。
クソッ、不覚だった。
私が今なお鎮座するトマトを渋い顔で睨んでいると、横からテンション高めの声が聞こえてくる。
この声は、あの人しかいない。
「よう! なにシヴィー顔してんだ? A」
「マイク先輩、お疲れ様っス。」
片手をひらりとさせながら私に声をかけてきたプレゼントマイク先輩に、軽く頭を下げながら私は労いの言葉をかける。
そして、自分が渋い顔をしているわけを彼に話すと彼は笑い始めた。
その様子を見て、私は言うんじゃなかったと酷く後悔した。
私はジト目で彼を見ながら、口を開く。
「そんな笑うこたないじゃないっスか」
「いや、悪ぃっ!」
「悪いと思うんなら、笑うのやめてほしいっス……ていうか、三十路になって虫で気ぜ」
「シャラ――ップッ!! それ以上言うんじゃねぇっ!」
鳥肌が、と腕をさするマイク先輩に小さく笑みがこぼれる。
彼の中では、虫で気絶した事は相当のトラウマになっているようだ。
そう考えると口田君凄いな。
なんて感心しつつ、私は目の前の難関に頭を悩ませる。
しかし、出来ることなら自分の口に入れたくないのが本音だ。
「……先輩」
「ワッツっ?」
「これ、食べてくれませんっスか?」
私はサラダに入っているトマトをフォークで指しながらそう言うと、マイク先輩が一瞬キョトンとした表情を浮かべるが、すぐにニヤリと悪い顔をする。
この時の先輩は、良い事を考えているわけがない。
「別に、食ってやってもいいが……俺さっきAの言葉で傷ついちまったしなぁ」
「……」
ニヤニヤと悪い笑みを浮かべるマイク先輩に、私は大きなため息をつきたくなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
