９無個性 ページ9
健康マニアのおじいさんの荷物を家まで運んだ日から早くも一週間が経った。
クリーニングに出して綺麗にしてもらったばかりのパリっとしたスーツに身を包み私は書類通りの時間に校長室へと向かった。
「一週間ぶりっス。校長先生」
「やぁ。元気そうで何よりだよ」
「校長先生も良い毛並みでいらっしゃいますね」
「まぁね。私はブラッシングは手を抜かないからね。その話は後にして早速教師たちに挨拶しに行くとしよう」
校長先生専用の椅子から飛び降り、スタスタと先導していく校長の後ろを付いて歩く。
しばらく歩きどでかい扉の前で校長は足を止めた。
目の前にそびえ立つ扉には確かに職員室と書かれたプレートが付けられている。
学生の時から変わってないな、この学校。
「じゃあ私の後に入ってくるんだよ」
「分かりました」
そう言い根津校長は慣れた手で扉を開き中へと入っていく。
そんな彼の後ろに続き、職員室へ入室する。
すると、その教室内にいる全ての教師の視線がブスブスと私に刺さっていく。
凄まじい視線のプレッシャーに気圧されながらも、笑みを浮かべ続ける。
「彼女が前々から言っていた新しい用務員の秋嶋A君だよ。皆、仲良くね」
「秋嶋と申します。皆様の邪魔にならぬよう精一杯努めて参ります。よろしくお願いします」
簡潔にそう自己紹介し深く頭を下げた時、ガタンッと大きな音が広い職員室に響いた。
すぐにその音がした方を向くと、まるで宇宙服のようなヘルメットを被った人が席から立ち上がり私の方を向いていた。
……誰だっけ?
「ちょっと13号。いきなり立ち上がってどうしたのよ」
女性らしい柔らかな声色の言葉にバラバラだったパズルのピースがはまり始める。
13号、宇宙服のようなヘルメット……
カチカチとピースがはまっていき、そしてついに私は思い出した。
「し、神妙寺さんっ!?」
「あぁ、13号先輩。お久しぶりっス」
彼は確か高校生の時一つ上の先輩だった人だ。
本名は忘れたがヒーロー名が印象深かった為、よく覚えていた。
まぁ、さっきまで忘れていたが。
何てことに思考を巡らせている間に、13号先輩はナイスバディな女の先生ととさかのような髪をしたサングラスの男の先生に追及されていた。
と言っても、その二人が勝手に元カノなのか今カノなのかなどと妄想を膨らませているだけだ。
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長月シキカ(プロフ) - あるたそさん» コメントありがとうございます! アパートの名前は自分でも結構気に入っていたので面白く思っていただけてとても嬉しいです＾＾この話は完結していますので最後まで読んでいただければ幸いです! 閲覧感謝です＾＾ (2017年11月13日 21時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
あるたそ - ふるそうwwwww面白いです！もう続編あるんだろうけど更新頑張って下さい！ (2017年11月13日 20時) (レス) id: d50254bc2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年10月1日 23時
