３１無個性 ページ31
「まぁ、クラスの半分以上にペイント弾を当てたのは予想外だったがな」
「正直自分も驚いてるっス。だけど、彼らはもっともっと強くなるっスよ」
「当たり前だ。あいつ等を立派なヒーローにするのが俺たちの役目だ」
いつもより優しい目をしながらそういう先輩に私は「そうっスね」と笑いながら返事をした。
「ま、何はともあれお疲れさん。怪我は
「了解っス。お疲れ様でした」
ペコリと頭を下げると、相澤先輩はスタスタと体育館を後にする。
私もそんな彼の後ろをついて体育館を後にした。
相澤先輩に言われた通りリカバリーガールさんのもとへ行き治癒をしてもらった。
と言っても大した怪我ではなかった為、ほとんど普通の治療ですみ、顔の傷だけ綺麗に治してもらった。
「リカバリーガールさん、ありがとうございましたっス」
「いいさね。ペッツ食べるかい?」
「いただくッス」
治療がすんだ私にお菓子を進めるリカバリーガールの厚意を受け取り、私は保健室を後にした。
リカバリーガールさんから貰ったペッツはどことなく昔を思い出すような味だった。
久しぶりに激しい運動をしたせいか喉が渇いた私はお茶でも飲もうと職員室へと足を向ける。
その途中で見覚えのある人影が目に入った。
「天喰君、今帰りっスか?」
「あ、Aさん」
鞄を肩にかけた天喰君が私の声に反応し振り返る。
いつも一緒にいる通形君の姿が無く、首を傾げていると天喰君が理由を教えてくれた。
彼は補習中らしい。
理由を教えてくれた天喰君は、おずおずと口を開いた。
「あの、左手……」
「左? あぁ、もう全然痛くないっスよ。そういえば、君の個性凄かったっスね!」
授業中には聞くことが出来なかった個性を思い返し、私は少し興奮しながらそう言った。
一体、彼の個性は何なのだろうか。
「あ、俺の個性は……」
「待つッス! 自分に当てさせて欲しいっス! えっと、地球上の生物の形に変形できる個性とかっスか?」
「おしい……俺の個性は"再現"。食べた生物の特徴を自分の身体に生やし纏わせるように再現することが出来るんです」
「そうなんスね! じゃあ今日のはタコとあさりを食べたんスね」
「あさりは攻防に長けているから、毎日食べるようにしてるんです」
「なるほど、確かにあのあさりなら盾にもなるし鈍器にもなるから便利そうっスね」
そう言って笑うと、天喰君は笑みを浮かべ頷いた。
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長月シキカ(プロフ) - あるたそさん» コメントありがとうございます! アパートの名前は自分でも結構気に入っていたので面白く思っていただけてとても嬉しいです＾＾この話は完結していますので最後まで読んでいただければ幸いです! 閲覧感謝です＾＾ (2017年11月13日 21時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
あるたそ - ふるそうwwwww面白いです！もう続編あるんだろうけど更新頑張って下さい！ (2017年11月13日 20時) (レス) id: d50254bc2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年10月1日 23時
