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62話 加勢 ページ12

「お前が俺様に願ったのはこの世界への渡航と、お前が虜にしたい奴に術をかけるようにすることの、二つだ。渡航に二つの魂と人の心を思い通りにする術で一人の魂を使ってるから、もうお前の願いを叶える事は出来ねぇんだよ」

「だ、だったら……こいつを殺すから早く願いを叶えなさい!!」


悪魔の説明を聞いた射杜山は、何をとち狂ったか傍にいた伏木蔵君に懐から取り出したナイフを振りかざそうとする。
すぐに助けようとするが、それを操られた伊作君に阻まれてしまう。


もう駄目だと思ったその瞬間、どこからかくないが飛んでき射杜山のナイフを弾き飛ばした。
自分の身に何が起こったのか理解できない射杜山は、弾き飛ばされたナイフを呆然と見やるしか出来ないようだ。


「……ようやく来たか」

「え? ……あっ!」


他の忍たまたちからの攻撃をいなしながらそう言う組頭に一瞬意味が分からなかったが、傍の塀の上を見てすぐに理解した。


「山本さんに高坂先輩、それに尊奈門先輩っ!」

「申し訳ありません組頭、遅くなりました」


そう言い塀から降りる山本さんと同じように高坂先輩と尊奈門先輩も塀から降りた。


「組頭、加勢します」

「頼んだよ。ただし、彼らを傷つけないように」

「承知!」


山本さん達が加勢に入った為、こちら側が若干有利になっていく。
あたりに攻撃音が響く中、私は伊作君を挟んで射杜山を睨みつける。


「さっさと大人しく地獄へ戻ってもらおうか。射杜山杞玻」

「い、嫌よ! なんで私が地獄なんてとこに戻らなきゃならないのよ!!」

「それは、お前が私と同じタヒんでいる人間だからだ。それに、お前は罰を受けなければいけないんだよ」

「うるさい! うるさい!! うるさい!!! 伊作! さっさとその女を殺しなさい!!!」


そう命じられゆっくりと武器を持った腕を振り上げる伊作君に、私はあまりやりたくないが彼を沈めるため拳を握る。
しかし、私は腹パンする前に伊作君の足元に何かがしがみついた。


伊作君の足元にしがみ付いたのは今まで私の傍にいた乱太郎君だった。


「伊作先輩お願いです! やめてください!」

「乱太郎君! 危ないから離れて!」

「嫌です! 伊作先輩Aさんに酷いことしないでください! またいつものように包帯の歌を歌いましょう! 裏裏山に皆で薬草を取りに行きましょう! だから、だから! いつもの優しい先輩に戻ってください!!」


ぼろぼろと涙を垂れ流しながらそう叫ぶ乱太郎君に、一瞬だけ伊作君の体の動きが止まった。

63話 怒り爆発→←61話 悪魔の正体



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長月シキカ(プロフ) - riemoa0323さん» コメントありがとうございます! こちらこそ多数の作品がある中当作品を閲覧くださり感謝申し上げます!! riemoa0323様のお言葉本当に嬉しいです^^最後まで閲覧感謝です♪ (11月14日 22時) (レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
riemoa0323(プロフ) - コメント失礼致します、とっっっても面白かったです!このような作品はあまり見かけないので出会えたことにとても感謝しています、素敵な作品をありがとうございました! (11月14日 0時) (レス) @page22 id: a94f27965a (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - 夕さん» コメントありがとうございます! 主人公と組頭が再会するエンドにするか別エンドにするか最後まで迷っていていたので、夕様のお言葉大変嬉しく思います^^最後まで閲覧感謝です♪ (10月10日 14時) (レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白かったです!最後に組頭と夢主が再会できた時はとても嬉しかったです! (10月10日 0時) (レス) @page22 id: 50676421a4 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます! 確かにこのようなタイプの話はここではあまり見ないですよね...。最初この話が思い浮かんだときは他人に受けるものか心配でしたが小桜様のお言葉に安心しました^^ こちらこそ最後まで閲覧感謝です♪ (2022年9月28日 21時) (レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長月シキカ | 作成日時:2017年8月1日 0時

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