２０話 初仕事 ページ20
「では、早速ですが掃除をお願いしても?」
「分かりました。あと私の方が後輩ですので先輩は敬語じゃなくていいのでは?」
「そ、そうか……?」
「はい。私は忍びの仕事は出来かねますが、その他の雑用でしたらなんなりとお申し付けくださいね」
「あぁ。じゃあ私はまだ鍛錬の途中だから」
「分かりました。鍛錬のお邪魔をしてすみませんでした」
「いいよ。じゃあ掃除頼んだよ」
そう言い尊奈門先輩は私から離れたいき、私はその後ろ姿を見送った。
彼の姿が見えなくなると、私は教えてもらった場所から掃除用具を取りまずは地面の掃き掃除から始める。
ブラック企業の仕事に比べたら楽なもんだ。
しかしどんな仕事でも手を抜いては私の信条に反するので、たかが掃除だろうと一生懸命にやる。
それはもうピッカピカにして自分で満足した頃には、太陽が山の向こうに消えようとしていた。
「……時間たつのはやっ!」
「Aさん終わった、か……!」
「尊奈門先輩、終わりました。他に何かすることはありますか?」
「え、これAさんがやったのか?」
「へ、えぇそうですけど……何かいけないところがありますか?」
私的には完璧にやったつもりだけど、先輩的には何かダメだったのだろうか。
そう思い少しだけ不安になったが、先輩の次の言葉で私の不安は杞憂だったと知った。
「いや、いけなくはないけど……この時間でここまで綺麗にするなんて、驚いただけだよ」
「そこまで驚かれることないと思いますが、それより他になにかすることはありますか?」
「え……えっと、とりあえず今はない、かな」
斜め上を見ながらそう言う先輩に、本当にやることがないらしい。
だが、やることがなければ手持ち無沙汰になってしまう。
「何か小さなことでも構いませんので、何か仕事をいただけませんか?」
「といっても、私が知ってる限りはないしなぁ……そうだ、組頭に聞いてみたらどうだ?」
「組頭に、ですか?」
「あぁ。今なら組頭暇していらっしゃるだろうし……それでもなかったら今日の仕事は終わりにしろ」
「……分かりました、組頭に聞いてみます。それで組頭は今どこに?」
私がそう聞くと先輩は快く組頭のいる部屋へと案内してくれた。
自分が言うのもなんだが、この人よく見知らぬ私に警戒しないな。
まぁ無駄に警戒されて攻撃なんてされたら困るから、今の状況のほうが気は楽だけどね。
なんて思いながら尊奈門先輩の後ろを黙ってついていくのだった。
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長月シキカ(プロフ) - 桜餅の塩漬け葉っぱさん» コメントありがとうございます！主人公や閻魔様のキャラどうするか結構迷ったので笑っていただけて本当に嬉しいです^ ^ 閲覧感謝です！ (2018年2月7日 22時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅の塩漬け葉っぱ(プロフ) - とっても面白いです。閻魔様と主人公のキャラが……www (2018年2月7日 22時) (レス) id: a55b533e90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年7月21日 0時
