Who is it in my back?【ガレキ牛】 (ページ9)

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俺はいつも以上に緊張していた。
助手席には女の子。
慣れないその存在に、時折手汗がじわっと滲むのを感じていた。

帰路の途中何を話したかは覚えていないが、
キヨくんを容赦なく撃ちはなった時の妖艶な笑み。
そんな面影はなく、俺の話に笑って、頷いて、
また笑ってくれるような、普通の女の子だった。

「Aちゃんって、そんな顔するんやな」
『え？』

Aちゃんは首をかしげて俺の方を見る。
きょとんとした、その目で。

「その方がええよ、俺は好き」

好き。

無意識に出た言葉に焦燥する。
特に変な意味じゃない。
恋愛感情ではない。はずだ。

なんというか。

なんだろうな。

心の中の木々が風に揺れるような感じを味わった。

『ありがとうございます…』

彼女はそう言うと、俯いたまま何も喋らなくなってしまった。

長い沈黙を破ったのは、

『レトさんも、笑ってる方がいいです』

彼女だった。