Who is it in my back?【ガレキ牛】 (ページ12)

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#11 ページ12

お風呂上がりのAちゃんは、
俺の寝室にある本を読んでいた。

ふと目をやると、
頭の包帯には少し血が滲んでいるが、
彼女が言うには痛みは全然無いという。
嘘つけ。

時折彼女は目を瞑る。
それは眠いからではなく、
鈍痛に堪えているのだろう。

『んん…』

本を読み終えたのか、眠くなったのか。
彼女は体を伸ばしてこちらを見つめた。

「Aちゃん、そこのベッド使っていいからね？」

そう言うとAちゃんは首を振った。

『悪いですよそんな！』
「女の子にソファーで寝かせることはできません～」

俺が制すると、頬を膨らませた。

やめてや。
可愛すぎやて。

あぁ、俺は後悔している。
こんなに可愛い子なら、家になんて連れてこんかったし。
こんなに可愛い子なら、

今の俺と出会って欲しくなかった。

そこら辺の道行く人。
平凡な俺と平凡なAちゃん

運命の出会いがそこにあれば、
俺たちはきっと上手くいっていた。

永遠の愛だって誓えたかもしれないのに。

『レトさん？』

Aちゃんが俺の顔を覗き込む。

「…とにかく、Aちゃんはベッド！」

俺はサッと立ち上がってリビングに逃げた。
俺はどんな顔をしていただろう。

想像がつく。

きっと情けない顔だ。