優先順位は下の下の下で【及川徹】

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じっと座るだけでも、時間は等しく過ぎてゆく


三時間なんてあっという間で、瞳を開ければまたベットの上にいた



「体に衝撃を与えないように車椅子に乗り換えます。

勿論歩けるかと思いますが、ご了承ください」

『……はい……』




立てる歩ける走れはするのかはわからないが、

立って車椅子に座る動作を行うだけなのに肩を貸してもらった



これにはさすがに申し訳ないと思った





『……………』





ツルツルな床を車輪が駆けていく

両脇の手すりに手を乗せて、ただただ待つだけ





看護師さんがさも同然の顔で車椅子を押すものだから、

彼女らは私を【病人】として扱っている




そう思えば少し悲しくなった






「ここに寝てもらいます。眩しい光が出ますので光カットの眼鏡をつけてもらいます。」


真っ白な大型機械

人一人分入れる隙間に寝っ転がって少し肩の力を抜く






「黒田さん、聞こえますか」

『はい』






ガラスを挟んで別室にいる神崎さんはマイクに向かって話す

天井に反響した声は、私によく届いた





「今から指示を出しますので、それに従ってください」

『はい』






「大きく息を吸って」

『……………』

「一度吐いて」

『…』

「もう一度吸って」

『………………』

「吐いて」

『…』







スーハースーハーと指示に従順に従う






「そこで息を止めて」

『…………』






制止の声

瞬間、心の臓まで止まるかと思った














「いち、に、さん、し_________」








秒読みをする神崎さんの声なんて耳には入って来ず、

波打つ心臓の音の方がよく聞こえた









___________お前が生まれなきゃ









間、







ありえないほどの力で首を絞められる。そんな感覚が私を襲った







『カヒュッ…………ゲホッ…ゲホッゲホッ……っぁ……クッ……ゲホッ…』

脳と首-共感覚→←.

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