優先順位は下の下の下で【及川徹】

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及川side


黒田は可愛い






俺の周りに集まる女と比べれれば

世間的に見てその周りの女の子の方が可愛いだろう






けど、俺にとっては断然黒田のほうが可愛かった







一年の頃、同じクラスになった


そのとき、俺に見向きもしないその姿に俺が気になってしまった


いつの間にか目で追ってしまって






多分、惚れてた








黒く伸ばされた艶のある綺麗な髪

横顔から見える瞳が綺麗だった。あのときの姿は未だに印象に残ってる







けど、黒田の声は最初の頃なかなか聞けなかった

あまり人と関わるタイプではなく




どちらかといえば教室で本を読むような子だったから








けど、そんなある日俺にとって良い機会があった




機会といっても、先生の雑用

ノートやらプリントやらを空き教室に運ぶだけ。







「黒田って、いっつも家でなにしてるの？」




少しでも知りたい。興味本位と話題作りで話しかけると

少々びっくりしながらも答えてくれた





『え、っと………最近は映画なんか見たりしてます』

「へーどんなの？」

『んーっと………○○って知ってますか？』

「あ、それ知ってる！」






そう言ったとき、ふにゃりと笑った顔が誰よりも可愛かった







空き教室にノートを置いたとき少し息を吐きながら黒田は口を開けた






『実を言えば、本当はちょっとびっくりしたんです』

「なにが？」

『及川くんが私に話しかけてくれるなんて思わなかったので』






眉を八の字にしながら失礼だったですかね

と、また笑った





『誰にでも同じ対応できるの、憧れます

……ちょっとだけ、及川くんと話せたの嬉しかったです

私は先に教室戻ります。では』






一礼して、空っぽの教室を出て行った黒田










______嬉しかったです







「っ…………」






ああ、俺は好きだ。黒田が好きだ







確信したのはその日だった

好き→←.

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