優先順位は下の下の下で【及川徹】

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「髪の毛の根元、少し見させていただきます。失礼、」


長い髪を持ち上げて首元を見てくるものだから、少しこそばゆい




「前と変わりありませんね。体調はどうですか」

『快調です。』

「ならよかった。今日は午後からの検査です

今日で検査は最後なので頑張りましょう」







前の5、6十代のおじいちゃん先生から、いつの間にか2、3十代に変わっていた



若々しくてちょっと眩しい。こう、笑顔が






『今日の検査が終われば退院できますか？』

「一時ですけど………それからは通院が多くなりますね

もしものことがあればすぐ入院になることもあるので」

『そうですか。』





日当たりのいいベットは、今の私と打って変わって

嫌になる程眩しい太陽が照らされている





『いいお天気ですね………』




空と雲の割合が８：２くらい。快晴だ。

こういう日は洗濯物乾くからいいのになぁ





「…午前中、少し外に出ますか？」

『え、いいんですか？』

「病院内だけであれば、

庭も屋上もあるので散歩くらいなら今の体調でも全然大丈夫です」

『あ……じゃあ、』




まだ3時間あるので、検査の３０分前までには必ずここにいてください




それだけを言い残し、たくさんの資料とバインダーを持って病室から出て行った




丸一日ベットから出てなかったからか

スリッパを履いた瞬間、足がつるかと思った




病院食に慣れなかったのと、

そもそも食欲がなかったのに心配した先生____神崎さんと呼ばせてもらおう

神崎さんは栄養注入の点滴を打たせた





『階段とかこれ持って歩けと…？』





点滴に水色の患者服






『ははっ……私病人じゃん。本当に死ぬみたい』




立ち上がって床を眺めながら、一人乾いた笑いが起こった

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